モザイク

写真は二置換アセチレン誘導体。
既知化合物で、たぶん合成したことのある人ははてなユーザーにもいるんじゃないだろうか。


室温で固体だが、分子量が小さくて(150ぐらいしかない)蒸気圧が高く、放置すると容器内で簡単に昇華する。
昇華すると、このようなモザイク模様がガラス器の内部にできる。
ガラス壁に分子が張り付き、一部自己集合して結晶の核となって結晶成長を始めるのだろう。
特定の方位をもつものは優先的に成長するらしく、結晶の特定の面がガラス器の壁面に平行になっている。
モザイクというかステンドグラスのように、結晶粒界が盛り上がり、結晶面がキラキラ光る。
粒界が盛り上がるのは、おそらく結晶粒界に多数の欠陥を含んでいるためだろう。
集合体の端のほうは、きちんとした自形の結晶になる。