いや、それはたぶん無理なんじゃないかと

学生さんが「すいません、ちょっと手伝ってください」というので、彼の実験台に出向いた。
すると、小さな灰色の可燃性*1ガスのボンベが置いてある。


「ニードルバルブが外れないんですよ」とのこと。


オレがレンチで回そうとすると、彼が「逆です」と言う。

「違う!お前が逆なんだ!」と一蹴。


普通のねじは「の締め」と言って、のの字に回すと閉まる。
これは可燃性ガスだからその逆*2。のの字に回すと外れる。
彼らは渾身の力を込めてニードルバルブを逆にねじ込んだらしく、木槌でレンチの端を叩かなければ外れなかった。
ねじ山のねじ切りの方向を見ればわかりそうなものなんだが。


はずしてびっくり。


パッキン入ってないし orz
よく漏れなかったなー。


「こんな実験やってると、何時か事故るぞ。阪大の悲惨な事故*3を知らんのか?」と説教。


操作を熟練した人に指導してもらうのも重要だが、それ以前に自分が危ないことをしているとまったく気づいていないところが恐ろしい。
危険予知以前の問題だ。


まあまずは、危ない試薬を知ってくれ。
で、おっかなびっくり、聞きにきてくれ。
聞けば教えてやれる。
見よう見まねはやめてくれ。


サスケ(白土三平)を読んでないのか*4

*1:酸素との接触により自発的に発火する

*2:ヘリウムと可燃性ガスは逆ねじ。

*3:http://shippai.jst.go.jp/fkd/Detail?fn=0&id=CA0000614& を参照のこと。

*4:サスケの見せた火遁の術を真似ようとした子供らが火薬を勝手に持ち出し、分量を間違えてみんな爆死してしまうという話がある。生兵法は大怪我の元とはまさにこのこと。