今日は夏休み最終日。

最後の日は、今まで訪ねたかったけど、空振り必至で二の足を踏んでいたところを重点的に周りましょうか。
まず最初は無名スカルン。スカルンなんて久しぶりです。
が、石切り場があって、立ち入りができません。
かなり規模が大きいので、無断立ち入りは止めておきましょう。


しょうがないので、付近の露頭を捜します。
山の東半分は花崗岩なのですが、付近には変成した岩石が分布しています。
地図に載っていない林道脇にずっと大理石の露頭が出ていますが、肝心のスカルンがありません。
しばらく地元の人と談笑していたら、この山では水晶が出るという新情報をゲットできました。ペグマタイトのものかな?
が、藪がひどくて踏み込むのはきわめて困難です。藪がおさまったらまた来ましょうね。
それにしても生活語(方言)がわかりづらいですね。


このあたりは工事現場によくペグマタイトとスカルンが出てきます。
昨今の林道工事は切り通しや法面をあっという間に緑化もしくはコンクリート被覆してしまうので、こまめなチェックが必要です。
前回来たのは三年前ですが、その後あらたな林道がいくつかできていました。
ペグマタイト脈は5つ確認できましたが、肝心なガマも黒雲母もありません。むー。


もうちょっと離れたところに有名なスカルンがあります。ちょっと顔を出してみましょう。
地主に挨拶し、いろいろ探しましたがアブと藪蚊がひどくて採集どころではありません。
軽く露頭を見て退散します。
ペグマタイトの多そうな道路を狙って運転し、次の目的地に移動します。


次は古い変成岩に伴う石英脈ですが、なかなか場所がわかりません。
真っ白な陶器状の石英なのでたいしたこともなかろうと考え、次の場所に移ります。


次の場所もスカルンです。
林道に車を停め、杉林を入っていくと採掘跡があります。
鉱石は柘榴石です。赤褐色の結晶片がいっぱい散らばっています。
一緒に、石英と緑簾石が落ちています。
上に大きな岩塊があり、露頭なのかはっきりしませんが、3mもあります。
この塊、苔むしてはっきりしませんが柘榴石の集合体で、一部に石英が入っています。
大きな柘榴石の結晶が見えます。張り付いているもので最大が14cm。
ところどころ、隙間に自形結晶が見えるので、少し頂いて帰りましょう。
それにしても、最近誰も来た気配がありません。
論文記載もされているのに、インターネットに情報が載らないと人が来ないみたいですね。
私としては地元と仲良くやりたいので、無名産地がいいです。空振りが多いけど。


最後の最後は、古い古い粘板岩に入った老脈の金鉱脈。
が、石英片がズリにまったくありません。困ったな。
老脈の金鉱脈では鉱石を大事にするので、ズリに鉱石がまったく含まれていないということがたまにあります。
今出山金山の恐怖体験が蘇ります。
それにしても何もありません。沢で砂金をパンニングするほうがよかったのでしょうか?
あきらめて帰りましょう。
なにも採れないことがわかっただけでも散策の大収穫です。


夏休みの採集行はこれで終了です。
双晶と黄銅鉱の結晶が採れたので空振りは避けられましたが、10万円近い出費です。
黄銅鉱一個一万円、双晶五万円ぐらいかかっている勘定になります。
安いと見るか高いと見るか。
物より思い出、ということにしておきたいです。