こわれたー!

深夜、高速道路を利用して寝たり起きたりしながら、長距離ドライブ。
日が昇ってくると、はじめは曇っていましたが、7時ぐらいからいい天気になりました。
こういう天気ですと、高速ドライブも楽しいです。
行楽なのか、みんなかっ飛ばしています。
私は 100 km/h 巡航ですが、さらに飛ばしている人も多く、ガンガン抜かれます。
後ろからクラウンが来ましたので追い抜かせます。

ん?なにか後ろのガラス越しに看板みたいなものが見えます。
近寄ってみると・・・

「いつかの CROWN*1
いいなー。こういう哀愁漂う遊びは好きです*2


目的地を大まかにしか決めてなかったので、資料の入っているノートPCを立ち上げます。
が、車内のインバーターが動きません!!!
壊れたか!?
地図ソフトも目的とする鉱山の資料もパソコンに入ってますし、インバーターが動かないと地図のプリントアウト*3ができません。
弱った弱った。


しょうがないので、予定地を変更します。
目的地は、熱水性の多金属鉱床を掘った鉱山跡です。
だいぶ前に来たことがありましたが、あまりにも急な崖に敗退した経験があります。


お昼過ぎぐらいに鉱山の入り口に到着しました。
紅葉がとてもきれいです。もう散り始めているかな。
以前に来たときは小さな車で坑道の前まで上がれましたが、今の車はとてもホイールベースの長い車です。
今回は行けるでしょうか?
もちろん未舗装、ところどころ深い轍や泥濘部のある道で、左が30m程度の崖、右が石がガラガラ崩れている道です。
道幅は完全に車一台分。左のタイヤから崖まで50cm−1mぐらいしかありません。



↑こんな林道です。左はススキが生えてますが断崖です。


ひやひやしながら上がっていきます。
が、20分ほど上がったところで、鉄砲水で道が埋まっていましたorz
切り返しできるところはどこにもありません。
しょうがないのでバックで車を戻します。
むちゃくちゃ怖いです。ハンドルを切り損ねたら崖にまっさかさまです。
結局一時間かけてバックで戻ってきました。
不精しないで、歩けってことでしょうね。
ただし、ここはこの県でも有数のクマの出没地帯、地元の人でも「あまり車から降りたくない」というような場所なのです。
冬ごもり前のクマに出会っても「お逃げなさい」とは言ってくれません。


車を安全な所に停めて、徒歩で目的とする鉱山跡に向かいます。
露頭には多くの石英脈が見えます。
以前、大きな石英塊の多く転がっている沢を上がってみたのですが、地形の急峻さに散策を断念しました。
今回はもう一回、ルートをまじめに判断しながらチャレンジです。

が、やっぱり崖が怖くて上がれません。
滝の横の崖にはつま先しか掛けるところがありません。怖すぎです。再び敗退。
次は思いっきりまわりこんで高巻きしましょう。いつ来るかわかりませんが。


もう一つの沢は、以前来たときは時間が無くて途中までしか遡行できませんでした。
この沢を狙います。

前回は途中の崖下に水晶を含む岩がいっぱい落ちていました。
やっぱり足場がよくありません。斜度は平均70度程度。
何度かずり落ちて、やっと露頭に到着しました。岸壁のテラスみたいなところでした。
露頭には、多数のネットワークになった石英脈が走っていました。

空隙には多くの水晶が見られます。大きくても4cmぐらいのものですが。
ツヤツヤしていて、とてもきれいです。
もちろん、誰も手を付けていません。
岩は風化でぼろ付いていて、ガマをほじくっていると足場が崩れ落ちて怖いです。
しばしば四点支持*4になります。
でも、クマが出てこなくていいです。
常識のあるクマなら、この傾斜を登ってエサを探すとは思えません。
クマが三点支持(四点支持も)で崖を登ってくるなら別ですが。


捨て縄で体を固定し、岩に引っ掛け、口のあいているガマを片っ端からさらっていきます。
しばらくガマを突付いていると、少し大きめのモノに当たりました。
半分ぐらい土に埋もれていますが、表土に近い岩盤に開いたガマでした。

崩れているので、手でどんどん掘り出せます。
細かい水晶はいっぱいあります。
さらったら40cmぐらいの深さがありました。
この種の金属鉱脈に伴う石英脈は大きな水晶がなかなか出てこないのが難点です。
また、尾太のように日本式双晶を伴うのは稀で、普通は気配すらありません。
ここも残念ながら日本式双晶は出てきませんでした。
でもまあ、三角形の頭がキラキラしてきれいなので、喜んで形のいいトッコを包んでお土産にします。


車まで下りたらどっぷり日が暮れてしまいました。
今年の採集はこれで終わりでしょう。
もうすぐ山は霜が下ります。
そろそろ雪虫が舞うことでしょう。

*1:もちろん「いつかはクラウン」の有名なキャッチコピーをひねったものでしょう。

*2:ウェブで調べてみたら、「いつかのクラウン」オーナーズクラブがあるらしいです。

*3:車内にプリンターが入っています。日本全国の2.5万地形図幅のデータがPCに入ってますので、どこでも地図が出せるんですが、電源が入らなければただの箱です。

*4:ヤバイところをだましだまし上がっていて、両手両足のいずれも動かせなくなった状態。落ちる一歩寸前。