2題

(1)
ある種の遷移金属触媒を用いた反応で、理由は不明なのですが触媒がねっとりとした粘ちょう物に変化して系外に出てしまい、すぐに失活してしまいます。
で、こわごわとスリ栓を開けて触媒を放り込んだら、火がポン!
追加すんなよ。おかわりは無しだよ。自分。


(2)
昔は不安定モノの反応を仕込む時は、アンプルを切ってそれをそのままフラスコにアンプルごと投入していたんですが、今の磁力の強いマグネチックスターラーでそれをやると一発でフラスコがスリガラスになってしまいます。
アンプルのみならず、欠けたガラス片や、パスツールピペットの破片と一緒に撹拌するときは、磁力の弱いスターラーの方がフラスコを傷めずに済みます。
なお、このような希土類磁石(ネオジム―鉄―ホウ素系)を用いたマグネチックスターラーで、撹拌子をフラスコに入れて回転のチェックをする場合、長時間回すと撹拌子が削れてテフロンの粉が出てきます。
反応混合物にも少なからずテフロンの粉が混じっていて、不溶不融の粉が浮遊しているのを調べてみたらテフロンだった、ってオチも。
強すぎるのも考えものかも。


(おまけ)
某フッ素系化成品メーカーのフッ素事業部の建屋の窓ガラスがスリガラスな件ですが、内部情報によるところ、やはりもともとの透明な素ガラスが漏れるフッ素およびフッ化水素によって定量的にスリガラス化されたそうです。
建屋の中はどこからともなく漏れる単体フッ素ガスの臭いに満ちているそうですが、それって・・・
窓ガラスはデコピンするだけで割れ、ガラス器具は実験台に置いただけで割れるほど脆化したものもあるとか。
大丈夫なのかしらね。


最近のベストは、某メーカーの濃厚過酸化水素水ネタでしょうか。
タンクをのぞき込んだら、胸ポケットに刺さっていたボールペンがバルク量の過酸化水素水に落っこち、それを触媒にして一気に分解して吹き上げたんだそうです。
うわーおっかね。


やばい話はいろいろとあるんですが、これ以上はちょっとね。