doublet のおじちゃん、藪+落石+雷雨と格闘する
夜からドライブして目的地に飛ばします。
この高速は昼間は込むんですよね。
プレイリスト出し。
リック・ラスキンのアルバムいいですね。フィドラーのおばちゃんと一緒のヤツ。
THE GOSPEL ACCORDING TO RICK RUSKIN AND VIVIAN WILLIAMS
- アーティスト: RICK RUSKIN & VIVIAN WILLIAMS
- 出版社/メーカー: Lion Dog Music
- 発売日: 2005/04/01
- メディア: CD
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現地入りして車内で熟睡。蚊がいなくて窓が開けられます。
自販機でジュースを買おうと思ったら、大量のむしむしむし。
120円でこのセミの背中をぽちっとな。
下のはカミキリムシのひげです。
寝過ごして9時に目覚めました。
あわててクロカン走行して林道をえっちらおっちら走ります。
道は雨水により溝だらけです。
車を停めて、身支度して行動開始。虫が多いので「パワー森林香」を焚きます。
ツルハシとバールは必要。天気はいいけどレインウェアも詰めます。
藪を漕いで、沢に下り、沢を遡行します。
こんな感じの、花崗岩の沢です。
適当なガレ場がいっぱいあるので、下に転げ落ちてくる石をチェック。
こういうのがペグマタイト(花崗岩の固化時の残り汁がゆっくり固まったもの)です。
この中の空隙に、水晶やら、長石やら、いろいろな鉱物が結晶化しています。
こんな感じで、岩盤に水晶が生えてます。
ただし足元が悪すぎて、写真がなかなか撮れませんでした。
だって足元は50度近いゴンベ砂の堆積と、砂すら付かない花崗岩の露出の傾斜。
上から下までこんな感じ。カメラ落としたら50mは転がりますよ。
そんなことしていて小沢の中でこぼれ落ちた水晶を拾っていたら、ゴロゴロ音がして上から50cm以上ある落石がバラバラ。
そのとき、やはり私の脳内にもゼビウスのシーンが思い浮かびましたが、あわてて横によけました。
あぶないあぶない。
ケモノ道だらけの尾根に上がると、大きな入道雲。
なつだなぁ。
で、しばらく水晶を探してヤセ尾根を上り下りしていたら、雷がゴロゴロ。
げ、夕立か、と思った瞬間に土砂降り。
バケツをひっくり返したという表現がもっとも正当な、様式美を踏襲した山の夕立。
レインウェアを着るまでにびしょぬれになりました。
平地では雷は他に落ちるところがいくらでもあるので、ゴルフ場とかじゃなければ危険性はありません。
しかし、山は別。山の雷は洒落にならないぐらい危ないのです。
尾根にいたらヤバイです。尾根の上にいたらバールとツルハシに雷が落ちちゃう。当然私にも。
髪の毛触って、モソモソしないのをチェックしながら、あわてて沢に下ります。
夕方4時なのに、沢の中は真っ暗、ライトをつけないと動けません。
しかし、雷雲は本当に自分の真上にあります。
動きたくないけど、動かないと日が暮れます。日が暮れたら行動不能。
どこかで雨宿りしたいのに、できない悲しさ。
オレに落雷するなよな、と祈りながら、濁って水位がいきなり上がった沢を駆け下りてきました。
この流域面積と地質なら夕立で鉄砲水はないでしょ。
真っ暗なところ、かつ土砂降りで、どこの稜線に上がれば車のおいてある林道にたどり着くのかがわからなくなりました。
あれ?ロストか?GPS は沢の中なので信号入らず。
ロストは久しぶり。現在地が読図とずれていることはままあるのですが、自分がどこにいるのかわからなくなったのは高校時代以来です。
そろそろホントに日が落ちちゃう。ヘッドライトじゃ動けないからビバークか。それはいやじゃー。
ということで、雨の中ちょこまか歩いて地形を読み、たぶんこいつだろうと狙いを定め、無理矢理稜線に上がったら、果たして車はあったのでした。
よかったー。この読みが間違ってたら間違いなくビバークでした。
林道は豪雨でどろどろ。路肩がやばいのでタイヤの空気圧を少し落とし、止まらないようにクロカン走り。
何とか集落まで下りてきたら、雨が上がりました。おい!
どうも最近、山の神様に嫌われているみたいです。
なにもわるいことしてないよ。
ビビンバ食べて、渋滞回避のために昼寝して、帰ってきました。
なんかひさしぶりにやばかったです。
車の中で考えたのですが、遭難ってケアレスミスの集合と、めぐり合わせの悪さが重なると起こるんでしょうね。
これで落石受けるか、地図を持たないか、ライトかレインウェアを忘れていたらマジでビバークです。
写真は Micro 60/2.8G と、28/2 (3,6,7,8枚目)です。
水晶の写真は Nikkor 28/2 + K1 リングです。