鉱物界
もともとこの言葉は生物の分類記載に一生を捧げたリンネが、著書「自然の体系」(1735) で用いたものだそうです。
リンネは、自然界の万物を「植物界」「動物界」「鉱物界」の三界に属するものとしてとらえ、これらをさらに細かく分類しています。
ちなみに鉱物界の下は「鉱物」「岩石」「採掘物」としています。
現代の区分で言うと、鉱物は天然の無機化合物で定まった組成を持ち、結晶質のものです。
岩石は鉱物の集合体で、その成因と構成鉱物によって分類できます。
「採掘物」は有用な鉱物資源およびその誘導体、つまり無機化合物を示しているのでしょう。
この区分は博物学的な分類記載にはいいのですが、ちょっとツッコむとこれでは不十分なところにすぐに到達してしまいます。
鉱物の記載はその成分と結晶形状から行うようになり、ここから無機化学と結晶学、鉱物学が派生しました。
リンネは鉱物界を彷徨することはありませんでしたが、私はこの三界をひろく彷徨ってみたいと常々思っています。
いかがですか?鉱物界彷徨?