銀塩写真に思う

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thejetmole さん↑の「修学旅行にモノクロ銀塩カメラ」の話を読んで、クスリと笑いました。
私もそうでした。
「男は黙ってモノクロ」というほどこだわりもなかったのですが、カラーのフィルムや現像は高くて手が出なかったので、長尺トライXを学校でパトローネにマキマキして、コダックレチナ(非蛇腹)に詰めて、京都奈良方面の修学旅行に持って行きました。
D-76 は自分で調合できたので、現像はそれほどお金もかかりませんしね。
あの時に現像したネガは、実家の片隅で眠っていることでしょう。
いつか思い出したら、引き伸ばし機を買って*1、お風呂で焼いてみたいなと思っています。


あのころに比べ、自由になるお金は100倍以上になりました。
おそろしく高くて、高校時代は手が出せなかったようなレンズが月に何本も買えます。
憧憬の F3 は、レンズのおまけで付いてくる時代になりました。
しかし、あののんびり写真を撮っていた時期を懐かしく思うのです。
それは、「銀塩だから」「デジタルだから」というより、時間の使い方の問題。
仕事に追われず、時間に追われず、金はないけど時間だけは贅沢に使えたころを思い出します。


人に言うことでもないんですが、私は中学校時代に自分のいた痕跡を地球上から抹消しようとし、家にあったモロモロの自分の写真などを(ネガを含め)ほとんど捨ててしまいました。
以前、私とオフクロと姉の写真を見せましたが、プレフィロキセラよろしく、私の小さいころの写真は極めて貴重なのです。
後で聞いたら、その雰囲気を察知したうちのオフクロが、ゴミ袋から一部は保護したんだそうですが、それでもほとんど残っていません。
なんてことをするんだろう、と今になって思いますね。


新婚旅行のときはデジタルカメラが市場に安く出はじめた頃でしたが、私はその頃は写真熱が冷めていたので、オリンパスのコンパクトデジカメを持っていったのです。
が、なぜか荷物にはニコマート+マイクロ55/35 も入っていたのです。
今考えると最高のコンビネーションですな。
最後のフィルム1本は新婚旅行で使いきれなかったので戻ってきてから使い切り、実はまだ現像に出さずに冷蔵庫に入っていたりするのです。
いつか現像に出す日がくるかもしれません。

*1:幸いにも引き伸ばしレンズは売るほどあります。しかも伝説の引き伸ばしレンズが。600lpm で焼けるかも?