球面収差

びっちり球面収差が残っている(収差補正足らず)ボケ。
flower


きっちり収差補正がされているボケ。
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当然のことながら、収差の補正が甘いと像も甘くなります。


球面収差補正が理想的なら、円盤状にボケるんですが、なだらかにボケるのを好む人も多いです。


私は硬めボケが好みです。しかしエッジは立っていないほうがいい!
DC micro ってのは難しいのかな。


結局はカリカリかつキレイな前後のボケってのはないものねだりで、球面収差、非点収差が基準倍率付近でほぼ理想的に補正されたレンズのボケが一番破綻がない、ということになります。
プリンちゃんのボケはここにきます。
ルミちゃん63歳はどちらかというと補正が足りず、後ろがキレイにボケてくれる傾向があります。
これが3枚玉の宿命でしょうか。
ただし、ルミ63やミク45、ルミ40で前ボケを出そうって人はあまりいない(というか科学写真に前ボケは必要ない)ので、前ボケを指摘する人はあまりいません。
マクロレンズの球面収差補正の状況は、少し不足気味の匙加減が大事だ、ということになります。
非球面をうまく使えば、ちょこっと絞ればバカみたいにシャープになるのに、開ければ美しくボケるという芸当がいとも簡単にできるのでしょうが。
一番球面収差が残るのは、手持ちのマクロレンズではNikkor-O 55mm F1.2 でしょうか。
このレンズの基準倍率より前のボケはキレイですね。像の湾曲も手伝っているようです。


まあしかしあれです。ボケ味を取るか、解像を取るか、どっちかにしろってコトなんでしょうね。
後ろボケが素晴らしく、かつ解像している写真を求めるのなら、基準倍率以外の撮影は捨てろってことになります。
レンズ群が独立に動かなければ、ボケと解像と倍率変化を併せ持つことは難しいでしょう。
私は解像を取ります。きっつい2線のボケじゃなきゃいいです。
プリンちゃんは、ザイデル収差より高次の項まで補正されています。そこまでしなければこの解像力は出ません。
破綻なく前後にやわらかくボケて(等倍近いからボケ量は大きくて当然)、300lpm を叩き出す。
これでいいんです。


漢は一度に2つを求めてはいけないのです。どっちか捨てろ、と。