死語の世界

学生さんに実験指示をするのに「500のエルレンに云々・・・」という話をしたら、彼は「エルレン」という名称を知りませんでした。
ここでは三角フラスコっていう名前で通ってます。
一般には三角フラスコとして知られるこの器具、発明者の Emil Erlenmeyer の名前をもらって「エルレンマイヤーフラスコ」と呼ばれます。
有機化学ではおなじみのものです。
で、この器具、「エルレン(エーレン)」「マイヤー」「三角」という呼び名が多いです。
ドイツ人なら「エルレンマイエル」かな?と思うのですが、それはおいといて、なぜ「マイヤー」?
そこで切るか普通?
で、いろいろ聞いて見たところ、研究者のルーツが旧帝大に太いパイプがあるほど、三角フラスコとは呼ばなくなります。エルレンマイヤーです。
もともと日本の化学はかなりの部分でドイツから輸入されているので、ドイツ語がまだ残っているんですね。フラスコはコルベンです。
某大学ではいまだに Übung *1って言ってるもんな。


しかし、ドイツ語は徐々に駆逐されつつあります。
これが時代の流れであります。
この間、「赤外」が通じなかったのにはびっくりしました。
赤外って言ったら、赤外線吸収スペクトルのことでんがな。
「岩塩板」も最近は聞かなくなりました。

*1:ユーブング。練習(実験)。バッハのクラヴィーア練習曲(Clavier-Übung)が一番馴染み深いでしょうか