亜硫酸ガス事件

情報ソースは伏せさせていただきます。


某国立大学の屋外ボンベ保管室に長い間放置されていた二酸化硫黄 7m3 2本からいつの間にか硫黄臭がするようになり、漏洩が疑われました。
そこであるガス屋が呼ばれたのですが、ガス屋はボンベを見るなり「こりゃ動かすとまずいぞ」と見当を付け、ボンベ内の残ガスを2日間かけてゆっくりと抜いたのです(無限希釈)。
残圧0になって、ボンベの胴を木槌で叩くと、鋼鉄シームレス鍛造製 7m3 ボンベの横にいとも簡単に大穴が開き、中にはきれいな結晶が育っていたそうです。


しかしそれは放置するほうが悪いです。法令を遵守しましょうね。
実験が終わったら速やかにボンベは返却しましょう。
古すぎるボンベはガス屋が引き取ってくれません。
なんとか引き取ってくれる処理業者を見つけても、目玉の飛び出るような法外な請求書がきますよ。ウン十万円とか。
それを考えたら、「中身がもったいない」って考えるのが意味がないことがおわかりいただけるかとおもいます*1
都内某大学の化学科引越しは、廃棄物処理で億近いお金がかかったそうです。
それこそもったいないかと。


以前、Tっていう業者が実験室の古塩素ボンベ(2kg)を引取りに来て、レギュレータが外れないので馬鹿力をかけてボンベヘッドを根元からぶち折り、ブシューと吹き出す黄緑色気体にやっつけられ、キョージュの総員退避命令が下ったことがありました(すでに時効)。
Tも悪いですが、古い塩素ボンベを何年も置いておくほうはもっと悪いです。
それを考えると、二酸化硫黄の処理をしたガス屋は目が利くなー。
修羅場をくぐってますね。こういう業者は貴重な存在です。


塩素よりもむしろ塩化水素のほうが腐食性としては上で、簡単にバルブが固着してしまう傾向があります。いずれも部材は真鍮です。
開かないのはまだいいんです。
開かないのを無理矢理こじ開けると今度は閉まらなくなってしまうのが厄介です。
ここでは県条例で耐用半年なんですが、半年なら問題なしないですね。
一年するとヘッドがいうこときかなくなります。

*1:中身がもったいないのは重水素ボンベだけです。小さなボンベなのでボンベごと購入という形がほとんどなのですけど