絶対!エタノール

私「おっかしいなー。その化合物がアルコールに溶けないはずないんだけどなー。」
学生さん「でもぜんっぜん溶ける気配ないですよ」
私「使ったのって絶対エタノールだよねえ」
学生さん「絶対 エタノールです。それに 10% 蒸留水を加えてあります」
私「なんだよ。水入ってんじゃん!絶対エタノール使えって言ったべ!」
学生さん「えー、絶対って言われても〜」


(まとめ)
エタノールに使われる表現なのですが、水を含まないエタノールを絶対エタノール (absolute ethanol) と言います。絶対メタノールとは言いません。
昔は「絶対溶媒」という表現があったと聞きます。しかしこの20年耳にしたことがありません。
溶質を含んでいない (ab-solute) の訳を「絶対」としたところに落とし穴があるのです。
最近はあまり使いません。むしろ無水アルコールと言います。
エタノールは水と共沸するので蒸留での完全な脱水は難しく、水混じりのものとそうでないものが差別化されています。それとも酒税法がらみか?


(正しい用法)
「おい、明日からは絶対アルコールは飲まんぞ!誓約書を書いてもいいぞ!」
(意味:水を含まないエタノールは刺激が強すぎて体に悪いので飲まない。しかもそれは飲用アルコールでなければ脱税である。しかし、水を含むアルコールについてはまったく言及していないぞ。やめるとも言ってない!)