今日もプチです

しばしば、実験書に書いてあるとおりに手を動かして、観察もせず考察もしない混ぜ屋の実験のことを「cook-book chemistry」(カタカナだとクッキングケミストリー)と言われ、学校や国研などの研究機関では大いに批判されますが、産業上においては重要な意味を持つことをようやく理解しました。
製造現場にいる人は、化学のことはたいして知らず、考えもしないものです*1
定時が来たら、どんなに危ない反応をやっている途中でも、「じゃああとよろしくー」と帰ってしまいます。そういうものでいいのです。
ですので、よく観察して判断しながらでないと合成できないような反応は産業上では使えません。
これをいかに条件最適化して、練りに練ったレシピを作り、「書いてあるとおりに混ぜれば誰でもできる」レベルまでふやかさないと、製造さんが動けないんですね。
「アレを入れて、次はアレを輸液して、そのときの品温が何度で、冷却水の入り口温度が何度で・・・」っていう、考えたり観察したりするプロセスを含まないレシピです。


1000リットル釜で合成するということは、そこまで技術を一般化するということに他なりません。

*1:もちろんすべての人ではありません。よく化学を知っている人もいっぱいおります。しかしその方を基準にフローを組み立てたらつまづきます。