デュワー瓶

学生さんに「ねえ、実験室にデュワー、もっと欲しい?」って聞いたんです。
すると学生さんは「はあ?何ですかそれ?」って。


普段自分が使っている実験器具の名前を知らないのですか!?


まあ、気を取り直して「それはデュワー瓶というのだ。中が真空引きしてあって、銀メッキしてある魔法瓶なんだけどね」と教えます。


学生さん「魔法瓶?それなんですか?」
私「中が真空に引いてあって、空気対流による伝熱を防ぐ保温もしくは保冷容器のことなんだけどな。小学校の遠足とかで持っていかなかった?」
学生さん「水筒ですか?」
私「そうそう、で誰か遠足で落っことしてジャリジャリに割っちゃって、悲しい思いをするの」
学生さん「普通金属製でしょう水筒って。ガラスじゃ危ないじゃないですか」


ついこの間まで、象印をはじめとする国内の多くのメーカーがガラスデュワーを「魔法瓶」と称して売り、水筒にも使われていたのですが、絶滅したようです。
昭和も遠くになったもんだ、と。
山屋さんは「テルモス」と言う日本酸素のステンレス製魔法瓶(日本酸素は「サーモス」という商標を使っている)を昔から愛用し、行動食用に、朝に紅茶を沸かしてテルモスに詰めるというのがお洒落だったのです。