橄欖

昨日の scorodite についての追記。橄欖の字を見て思い出しました。
カンラン (Canarium album) という植物があります。
種から油が取れる、外国から持ってきた植物なんですが、オリーブじゃないです。
でも、よく混同され、しばしば勘違いされます。
たぶん、利用法が似ていたためなんじゃないかしら。


もう名前付けちゃったので今さら直すわけにもいかず、橄欖石(かんらんせき)はオリビン(olivine)でまあいいとしましょう。
でも、橄欖っていったら、カンランのことで、やっぱりオリーブのことじゃないよ。


前にも「礬」の字は硫酸塩をさすもので、アルミニウム塩じゃないよってしつこく書きました。


一番派手なすり替えはやはり「石英」「水精」なんですが、これももうダメかもしれんね。


しかし、私は化学の畑の人ですから、scheelite を「シーライト」と言うことはありません。「シェーライト」です。


ついでにダメ押ししてしまうと、paraguanajuatite の和名、パラグアナジュアト鉱。これなんとかなりませんか?
メキシコ、グァナファト (Guanajuato)州で見つかった guanajuatite の多形なんで para-guanajuatite なのです。
スペイン語で読みましょう。地元発音では「ガナファト」に近いですね。
パラグアナジュアト鉱、滅びの呪文ですか違いますかそうですか。
もし、パラグアナジュアト鉱とおっしゃるのであれば、hidalgoite はヒダルゴ石と読むべきでしょう。


(追記)ウェブで調べてみたら、カンランの英語名は chinese white olive なんですね。
中国語ではオリーブオイルは「橄欖油」です。
まっ負けたorz
でもカンランはカンランで、オリーブじゃないよ(まだ言ってる)。