酸化亜鉛
zincite
ポーランドの精錬所の煙突の昇華物だって話です。
左側の結晶で、hexagonal だってのがおわかりいただけるかと。(hex., P63mc)


おまけ(トリシラン誘導体)
trisilane
まだ構造解析していませんが、どうみても triclinic ですね。
とりくりすき♪


写真の好みというのは難しいものです。
私は、撮影者の感情なんかこれっぽっちも含まれていない、氷のように冷たい写真が大好きなんですが、どうもそれは一般的ではないようです。
図鑑写真の難しさをひしひしと感じます。
図鑑写真では、模式的なものを、もっとも平均的な特徴を載せて、奇をてらうことなくありのままで情報を伝える義務がありますが、やればやるほどこの難しさにはまりますね。
これ、相当訓練しないと撮れないです。
被写体のことを相当知らないと、図鑑写真は撮れません。
何も考えずに撮れるものではないようです。
何を伝えるか。この情報が複雑であればあるほど、撮影は難航します。
文と同じ。わかりやすければいい、単純で感覚的に理解しやすいメッセージならそれでいいかって言うと、ちっともそんなことはありません。
それじゃ「水からの伝言」と同じ。
あれは、「ヒトを形成する最も多い物質は水だ。だから水は大事で、いろいろ知ってるんだ」という、直感的にわかりやすい(しかし根拠なんかこれっぽっちもない)メッセージに基づいたポエムでした。


ややわかりづらいかもしれない。しかし、必要な情報はすべて載っていて、じっくり見るとその被写体の深淵さに触れることができるだけの精緻さがある。そしてその中に被写体のありのままを技術を尽くして写しとろうとする撮影者の思い入れが垣間見える(見えなくてもいいのだけど)。最終的には描き出した色と光と被写体のモザイクが「美」を作り出す。
これが理想的な図鑑写真なのでしょう。
これは感覚で「感じたまま」撮るなんてスタイルでは到達できないところにあります。
「せーのっ」って感じで一発録りで録音した素朴な3コードブルーズでなく、展開を練りに練って計算され尽くした和音とポリリズムとアンサンブルよりなる、商業テーマパーク的おもちゃの玉手箱のような音楽の如くであるべきです。図鑑写真は。
そしてそれを何事もなかったかのように、当たり前な日常さで提供すべきだ、と。
それを理想とすることにしましょう。


非図鑑写真風 (diphenylamine 二態)
diphenylamine


Ph2NH


難しいよな、写真って。