何にもない何にもないまったく何にもない

朝、朝日がさすのと同時に起床。寒い。
やっぱり伊豆でも山間部は霜が降ります。
寒いのでもう一眠り。


起きて、ちょっと車を運転して、目的地の散策。
露出があまりよくないんですが、どうもこのあたりらしいです。
パンを食べていたら、オレンジのウィンドブレーカーを着た老猟師二人に遭遇し、いろいろ話を聞かせてもらいます。
この上に昔カナヤマをやった時の縦坑が多く開いていて、危ないんだそうです。
猟犬が落ちるので、あまり行きたくないんだとのこと。
あ、それだそれだ。たぶんそうだ。
落っこちると助からないんで気をつけろと言われます。そりゃそうだ。


しばらく散策し、あたりを付けます。
mining_road
ちょっと離れたところに多くの廃墟があってびっくり。
どうやら、別荘用に少し開発したらしいんですが、水がなくて撤退しちゃったみたいです。
つわものどもがゆめのあと、もはや収穫する主のいない多くのミカンの木は、今は野鳥にご馳走。
やっぱりホントに道路の真上のようです。
急傾斜を気合で登り、悪い足場を上がっていると、だんだん露出が増えてくるんですが、それはそれで難儀。
岩の上の濡れ落ち葉に足を乗っけて滑落し、腰とケツをしたたか打ちます。いていて。
どうも良くない、今日はあまりいい感じがしません。
こういう日もあります。縁起を担ぐわけじゃないんですが。
次回にまわそう。


少し離れたところに、やはり小さい鉱山があったらしく、そっちに行きます。
林道終点まで行くと、別の猟師3人に遭遇。
いろいろ教えてもらうんですが、有力情報なし。
猟犬になつかれます。
あ、これはけいとうさんところのチャバランさんだ!猟犬だったのね。
チャバランさんが2匹いました。
えらくなつっこくて、どんどん傾斜を上がって行きます。すごいすごい。


終点に、金鉱を搗鉱した気配があったので、すぐそばのようです。
ちょこっと上ると、廃坑道があります。
ズリや坑口そばの石を見た感じでは、伊豆にしては石英の結晶粒度が大きそう。
ほら、伊豆の石英脈って瀬戸物みたいのが多いじゃないですか。もっともっとでかいの。
で、期待もするんですが、坑道内は水が出ていて、ウェーダーなしじゃ辛いです。
写真に写っているのは、戦時中に死んだ鉱夫のエクトプラズムでしょう。
old_adit
もうひとつ、上にも坑口がありますが、こっちは坑道の途中に竪穴が開いていてヒヤヒヤします。
アルスーパーマリオです。飛び越えられればおk。
危ないし、空気が止まっていて、酸素濃度が低そう(過呼吸っぽくなる)ので、出てきました。
「空気読め」ってのはこのことです。空気が読めないと酸欠でひっくり返り、死にます。
周囲の状況から、地表脈があるはずだと思って露出を探すのですが、残念ながら見つかりません。
次はウェーダーと酸素濃度計を持ってきます。


杉林の中は、椿が花を散らし、鮮やかな血の色に染めていました。
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帰りに、伊東市払の沸石産地を探したのですが、場所がわからずウロウロしているうちに日が暮れてしまいました。


温泉を探しながら国道を走ると、汐留の湯というのがあります。
杉板張りの床。編物に熱中する番頭。
番台の向こうはもちろん女湯の脱衣場。
シャワーの存在を全否定するような蛇口。
ケロリン洗面器。
天井からの水滴。
間仕切りの上から聞こえる、女湯の賑やかな声。
そして仕切り上で交換される夫婦の掛け声。
皆が二十年前に置いてきてしまった、「昭和」が確かにここには残っています。
温泉の横は伊豆っ子ラーメン。ここも古い店舗。
鶏ガラの匂いがします。横が製麺所なので、そこの麺でしょう。
スープは鶏ガラ、野菜、それと一緒にいっぱい鶏卵の殻が入ってました。
卵の殻ってダシが出るのかな?
まあまあ満足。しかし、厨房を見ていて気づいたのですが、この店ではチャーハンを頼むべきです。


伊東ってのはいいとこです。
懐かしい匂いがします。


帰りは、オダアツをぶっ飛ばして帰ってきました。
伊豆スカイライン全線200円だそうです。昨日はそっちを使うべきだったか。


やっぱり鉱物採集はいいですね。
自然に触れ合わないと、心が干からびてしまいます。