滋賀石

shigaite
滋賀石(shigaite), [AlMn2(OH)6]3(SO4)2Na(H2O)6{H2O}6, trigonal, R-3
滋賀県栗東市下戸山五百井鉱山
FoV : 3 mm
Olympus Zuiko Auto Macro 38mm F2.8 (F = 5.6)/Nikon Multiphot/Nikon D3


滋賀県の五百井鉱山(いおいこうざん)より見出された新鉱物の滋賀石です。
カナダ、オーストラリアでも見つかり、南アフリカマンガン鉱山で多くの美麗な結晶を産出し、標本市場に出回るようになりました。
アルミニウムとマンガンとナトリウムの含水硫酸塩で、黄色透明の六角板状の鉱物です。
鮮やかな黄色透明が綺麗ですね。
底面方向にへき開があり、その方向にひびが入りやすいようで、空気ギャップによる干渉色が見えます。
これは、滋賀石の層状の結晶構造に基づくものです。
ンチュワニンのもので構造再解析がされているので、Can. Min. の pdf を参照のこと。
http://rruff.geo.arizona.edu/doclib/cm/vol34/CM34_91.pdf


三方晶で、結晶の底面(六角板状の面)に平行にマンガンとアルミの水酸基リガンドがたかった八面体の連なったシートがあり、シート間を硫酸イオンとナトリウムイオンが結んでいます。
そのため、シートが剥げるようなへき開が発達しています。
硫酸塩の雲母みたいなものですね。
やったことは無いんですが、このへき開片、曲がるらしいです!


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つゆねこさんふぶきさんにご無理を言って、標本を貸していただきました。
ありがとうございます。


アフリカ、ンチュワニン鉱山のものは色が濃いです。
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