コフィン石ふたつ

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コフィン石(Coffinite), (U,Th)(SiO4)1-x(OH)4x, tet., I41amd.
秋田県仙北市田沢湖
原子力研究開発機構(旧動力炉・核燃料開発事業団)蔵(登録番号 0169)
標本サイズ 30 mm
Nikon Zoom Micro Nikkor 70-180mm D ED (f = 22)/Nikon D3


コフィン石はウランのケイ酸塩で、黒々とした大変地味な鉱物で、なかなか結晶を作らないことから見栄えは悪いものの、ウランの一次鉱物としては代表的なものです。
ウラン含有量も理論値で70%以上あり、大変放射能の高い鉱物です。


この標本は1950年代後半、カーボーン調査をきっかけに見つかったものです。
産地は田沢湖までしかラベルに書いていませんでしたが、今の仙北市田沢湖町鎧畑 鎧畑旧道トンネルのトンネル内で産出したものに間違いないでしょう。
グリーンタフの基盤近くの礫岩中に生じたコフィン石で、一次生成したものとされています。
黄鉄鉱などと密雑な混合物を作り、肉眼で見てもよくわかりませんでした。
品位も低く、最大でもウラン品位が U3O8 計算で 2%を越すことはありません。
これについては、地質調査所報告232巻に詳細な報告があったと思いました。
五年ぐらい前に報告書を読んでみて、行こう行こうと思っていたものの、まだ到達できてない産地の一つです。
表面に黄色いつぶつぶがちょこっと見えますが、これは酸化されて生じたウランの華だと思います。


もう一つ、こちらは鳥取倉吉市円谷のものです。
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コフィン石(Coffinite), (U,Th)(SiO4)1-x(OH)4x, tet., I41amd.
鳥取県倉吉市円谷町
原子力研究開発機構(旧動力炉・核燃料開発事業団)蔵(登録番号 0002)
標本サイズ 35 mm
Nikon Zoom Micro Nikkor 70-180mm D ED (f = 22)/Nikon D3
こちらは切断研磨したものです。黒い部分がそれです。