バストネス石

bastnasite


あ。飛んじゃった・・・。


バストネス石は希土のフッ化炭酸塩で、ややまとまった鉱床を作ります。
こいつのいいところはウランやトリウムといった放射性アクチノイドを含まないところなんですが、軽希土類 (57La-63Eu) までを多く含むが、磁性材料として使える重希土類 (64Gd-71Lu)の含有量が少ない傾向が強いのが癖です。
セリウム源としてはそれでもいいんですが、希土類の原料としては、すべての希土類をまんべんなく含んでいるものが好まれるんですよね。
モナズ石やゼノタイムはその点は良好なんですが、放射性元素まで含むというのは厄介な点。


アメリカの鉱山は、中国が希土類ダンピングを始めた時点で鉱体を温存して休山しています。
中国にもバストネス石の鉱床があるんですよね。
中国にはモナズ石、ゼノタイム、バストネス石、粘土吸着型、何でも揃ってます。あそこにゃ勝てません。


希土類の原料鉱物として以外にも、これをそのまま選鉱して粉砕して、光学用研磨剤として使われることがあるそうです。
ニッコールレンズのあの平滑な表面は、セリウムのおかげなのです。