5 m の紫水晶!?

話は変わりますが、最近、富保(とんやす)鉱山という
金鉱山のまわりをうろついています。
大昔の渡辺万次郎先生の岩鉱*1の論文には「5mの紫水晶の美晶」が
産するとあります。5mですよ、5m。これは誤植なのか?
たぶん誤植だろう(いくら何でも、浅熱水性金銀脈で5mの
水晶の単結晶は考えづらい)と考えています。
南部先生は「5cm」の間違いだろうと考えたらしく、福島県鉱物誌には
5cmとして引用されています。
それとも南部先生は、渡辺先生の標本をチェックしたんでしょうかね。
オリジナルの「5m」は「5mm」なのか「5cm」なのか、それとも本当に
「5m」なのか、未だに決着がついていません。
それにしても、金山誌*2の地図上の位置の間違いは多すぎる。
富保鉱山も、ヘンなところに鉱山の位置がついています。
この本の地図に、何度泣かされたことか。

*1:岩石鉱物鉱床学会誌のこと。

*2:日本金山誌を指す。資源・素材学会が発行した日本の有名な金銀鉱山についてまとめた本で、金銀鉱山を調べるには手っ取り早い。小さな金銀鉱山はあまり載っていないが、これに記載されていないような小さな金山を調べる人は、独自の情報入手ルートを持っているので問題にされない。