結晶の正しい割り方


Fluorite の光学材料の話を書いたので、おまけにもう一つ。
劈開の強い結晶を希望のサイズに割り出すときには、ある種のコツがいる。


例えば、岩塩(塩化ナトリウム)の1cm角の結晶から、厚さ1mm、縦横1cmの板を切り出すとする。
(001) の劈開を利用してカミソリの刃を当て、カミソリの刃の背を小ハンマーで叩いて割り出すのだが、最初からサイコロの辺の端1mmの所にカミソリの刃を当てても、絶対に1mmの厚さの板にはならない。
これをやると、斜めにそげ落ちてしまう。
これをするには、1cm角のサイコロをまず6mmと4mmの厚い板にして、4mmの方を2mmに、これをさらに1mmにするというような、がまの油売り方式で割らないと難しい。


つまり、切り分ける両方のサイズ差が大きすぎるとだめだということ。