プロジェクトX

NHKプロジェクトX」が、年度いっぱいで放送を打ち切るようだ。
ネタがつきたか、ヤラセ問題がいよいよ激化したか。
しかし、あの番組は、本当に理学に理解の乏しい番組だった。
純粋な理学ネタでは、小柴さんのぐらいしかなかったんじゃないかと。
実学よりの工学ネタはそれなりに多かった。
これは、目標が目に見えてわかるので、話の組み立てが容易だからだろう。
理学の研究は終わりがなく、やればやるだけ理解は進むが新たな疑問が増え、かつ地味な作業が多いため絵にならないということか。
特に化学は、分子が目に見えるわけでないので間接的な表現にしかならないからなあ。
ノーベル賞クラスのプロジェクトですら取り上げられない。
土木や機械、電気電子は目標がはっきりしていて、product が目に見え、人様の役に立つので話を盛り上げやすい。
お涙ちょうだいなら、迷わず後者だろうね。


放送を見ていると、明らかにオーバーすぎる表現が多数出てくるのが鼻についた。
NHK は偶像化が大好きらしく、オヤジが「関東甲信越小さな旅」で取り上げられたときは、見ていて本人とのギャップにあぜんとした。
それでいて、当事者のもっとも伝えたいことというのは、ほとんど取り上げられない。
あくまでも出演者は番組組み立ての材料でしかなく、意思やメッセージを持つ必要はない。内容はすべて NHK 側が考えるようにできている。
ひとの話なんか聞きゃあしない。
で、取材の金はべらぼうにかけるのだが肝心の理解が薄っぺらで、使った金に見合っていないお粗末な番組が出来上がる。
昔からそう。
プロジェクトXもその色が濃かったように思える。
ああいう番組は意味があると思うし、オレも好きなのだが、やり方に疑問点が多かった。
イデアはいいが、もう少し理解を深めた方がいいんじゃないかと。
週刊金曜日の「買ってはいけない」みたいな印象を受けた*1


そして、中島みゆきだけが大勝ちした。
♪ひとーり上手と呼ばないで♪

*1:イデアは悪くないし、週刊金曜日にしか作れない本なのだが、著者があまりにも科学についての知識が乏しかったため大失敗した極端な例。トンデモ本に近い。やる気だけは買うんだが。