六方石

今日は水晶に挑戦しています。
無色透明で、鏡のような結晶面の水晶は撮影が非常に難しいので、少し難易度を落として、表面が少し荒れているものを選んでいます。


絞りすぎると向こう側の結晶面までピントが来てしまい、結晶の形状がつかみづらいので、ほどほどに開けたほうがよさそうです。


表面に出ている模様は、結晶成長が優先的に起こっている部分で、成長丘といいます。


結晶学の理解が深まるにつれ、このような成長は結晶中の欠陥をきっかけとして起こりやすいことがわかってきました。
逆に、結晶が熱水により溶けるときも、結晶の欠陥から起こり始めます。これは蝕像と呼ばれます。
まったく欠陥の無い結晶は成長が極めて遅く、欠陥の多い結晶の成長に凌駕され、天然では通常はありえません。
エントロピー的にも不利なのです。


完全無欠というのはあくまでも理想論であって、現実的ではないと考えたほうがいいのでしょう。
欠点があるから、人は人たり得るのです。
自分の欠点があるから、他人の罪を赦せるのです。



もいっこ作例。こちらはうっすらと色づいた煙水晶です。
四方から大量の光を当てて、f = 32 まで絞るとこんな感じになります。
のっぺりです。ピントはそこそこ合ってるんですが。

煙の色を出そうと、白バックにしているのが仇になって、ダイナミックレンジが下がってしまうのかな。


斜め下の一方向から細めの平行光束を入れて、f = 4 まで開けるとこんな感じになります。
二線ボケが目立ちますが、立体感はあります。煙の色は出ていません。


どちらがいいかは好みの問題ですが、学問の畑の人なら迷わず前者なんでしょうね。
ちょうどこの間に落としたいです。


そして、スライダックをかませて光源の光量を落としたいです。
目が、目がぁ〜〜〜〜〜