七色のスペクトラム
これは、液晶プロジェクターの心臓部、クロスダイクロプリズムです。
液晶プロジェクターの仕組みは、光源から出た光を均一な平行光にして、これを二枚の干渉膜のハーフミラー(タマムシの色と同じ原理)で、赤、緑、青に分けます。この色ごとに液晶パネルで像を作り、この四枚張り合わせのプリズムで一挙に重ね合わせます。これをレンズで投影しています。
というと簡単そうですが、実際には三原色の像を重ね合わせるプリズムにはものすごい工作精度が必要で、ノウハウの無いメーカーが簡単に作れるものでは無いようです。
ちょっとでも角度がずれると張り合わせができませんし、投影像が食い違ってしまいますからね。
で、詰まるところ45度プリズムの四枚張り合わせで、この表面にも干渉蒸着膜と、三原色にそれぞれ対応した直線偏光フィルターが貼り付けてあります。
これに光を当てると、中で複雑に反射、屈折が起こり、それが干渉フィルターを通して七色に輝き重ね合わさり、しかも色分散でスペクトルになるものですから、それはそれはきれいなんです。
1677万色なんてめじゃないです。
分光しているわけですから、この世の中のすべての色がこのプリズムを通って出てきます。
この色がカメラで表現できるといいのですが。
もし、あなたの職場で古い液晶プロジェクターを捨てることがあったら、「プリズムだけちょうだい♪」と言ってこれだけ抜いてしまいましょう。
心臓部なのでたどり着くのが大変ですけど。
私の仕事机は窓際なので、このダイクロイックプリズムを書類の山のペーパーウェイトにしています。
日が射すと夢のような色を四方の書類に落とします。
書類が山と積んであることには決して触れないでくださいね。