Agardite-(Y)

先日の日記に書いた砒酸塩鉱物です。
agardite-(Y)@Hayashi, Setoda, Hiroshima
写真幅 3 mm(x 8 倍)。

Leitz Photar 12.5mm/D80


イットリウムを数%含む含水砒酸銅の鉱物です。
結晶構造にセリウム、イットリウム、ランタンなどの希土類イオンを据えるサイトがあります。
以前は多産したので、「こんなにいっぱいあるのに、希土類が端成分のはずないじゃん。カルシウムかな?」と素人判断したのですが、元素分析の結果、果たして端成分はイットリウムだったのでした。
深成岩に含まれていた希土類元素を砒酸銅が濃縮と考えるべきなのでしょう。ヘンなの。
微細な針状結晶の集合したスプレーになりやすく、ウチにあるアメリカの標本もそんな感じなのですが、広島のものはほとんどが皮膜状で、たまに肉眼で結晶質だとわかるものがあります。
拡大するとこんな感じです。分解能の低さは回折ボケです。

六方晶系を反映して、六角柱状の「削ってない鉛筆」のような結晶なんですが、小さすぎてこれではよくわかりませんね。


もう一つ石の写真を。
Hauyne(アウイン)です。もちろんアイフェルのものです。
写真幅 10 mm(x2.5 倍)。

Nikon Macro Nikkor 35mm/D80


ラピスラズリなんかの仲間で、透き通った鮮やかな青が魅力の鉱物です。
ドイツ特産で、宝石質のものはドイツしかないんだそうです。
別名「アイフェルのサファイア」と呼ばれ、火山岩の中から透明なサニディンと一緒に転がりだしてくるんだそうです。
アイフェル、行ってみたいな。日がな一日掘っていたいです。


この鉱物の名前はアウイというフランスの鉱物学者から取られています。
結晶の単位格子という概念は、もともとアウイの出したもので、結晶学にも多大な貢献をしています。
ただし、アウインははっきりした自形の結晶を示すことは珍しく、この標本も四方が破断面に囲まれています。


この鉱物、カットされて宝石としても用いられることがあるのですが、大きな石はびっくりするほど高価です。
もし、これから婚約指輪や結婚指輪を貰う予定がある人は、サファイアよりアウインをねだってみてはいかがでしょう?
きっとサファイアよりきれいですよ。
「0.5 ct ぐらいのでいいのよ〜。ヒビが入ってても。」と言って、まず約束を取り付けてしまいましょう。
そのような指輪は、男のプライドがかかっているので、きっと「もっと大きくて完璧なのを買ってやる」と言ってくれることでしょう。
きっと彼氏は、見たことも聞いたこともない宝石で、きっと安いものと考えて OK をしてくれるものと思います。
支払いの段になってびっくりすること請け合い。