まっかだな

じゃあ今日も赤い鉱物。クリスマスだから。
Pyroxmangite@Yokoneyama mine, Tochigi



zuiko macro 38mm F3.5/D80


この鉱物はしばしば学名の省略から「パイマン」って呼ばれます。
パイマンはトリクリです*1


マンガンの珪酸塩鉱物で、化学量論的な組成は MnSiO3 なのですが、SiO4 四面体のつながりの繰り返し単位如何によって、結晶構造が変化し、鉱物名も変わります。
ピンク−赤系統の色は、二価のマンガンイオンの吸収に由来します。
もう一つの MnSiO3 組成を有する鉱物である rhodonite より産出が稀で、色鮮やかな赤色を示すことが多いことから、ファンの多い鉱物です。
質のいい結晶はカットされ、希少石として装飾品に用いられることもあるそうです。


この産地は、「ウェルダンってレベルじゃねーぞ」というぐらい熱で変成した堆積性のマンガン鉱床です。
最近は、(鉱山保安法の関係から)なかなか入れてもらえない場所なんですが、地元のつてを頼って根回ししました。昔は一升瓶で入れてもらえたんですがね。
来年の雪解けになったら何人かで行ってきます。
しかしそんな暇があるのでしょうか。たぶん無さそう。



この血のような赤い結晶には、マニアを狂わせる何かが宿っているのです。

*1:結晶学では三斜晶系(triclinic)の略をしばしば「トリクリ」と呼びます。単斜晶系はもちろん「モノクリ」です。