紫水晶

写真は紫水晶。撮りなおしました。
やっぱり紫水晶は白バックでないとまともな色に見えません。
Amethyst


紫というのは古来から大事にされている色で、冠位十二階もそうですが、一番得ることの難しい色です。
黒田チカが紫根(シコン、紫の染料が取れる植物)の研究を始めたのも、紫の実用染料が明治時代にほとんどなかったことによるものです。
水晶の場合は、色の濃い紫水晶はかなり歓迎されます。
他の水晶は宝石とは呼ばれず貴石ですが、紫水晶だけは宝石ですから。
産地でも、きれいな紫水晶が出てくると、みんなが目の色を変えます。
そういうものなのです。


この紫水晶ナミビア産なのですが、やっぱりそこそこのお値段で取引されます。
ツヤと透明度に優れ、水が入っています。
old water
大昔の水です。中に気体の泡が入っています。こいつは振るとチョコマカと動きます。
飲んだら美味しいかな?たぶんまずいだろうな。


一緒に、空気だけのインクルージョンもあります。
水晶の結晶面に囲まれ、水晶の形をした泡なのですが、中には気体が入っています。
こういうのを負晶といいます。
negative crystals


慣れてくると、中に入っているのが空気なのか水なのか、見て判断が付くようになります。
水晶と中身の屈折率の差で、屈折の程度や反射率が違ってくるからです。


(撮影メモ)全体写真は PN95/2.8 (f = 11)、水は Macro Nikkor 35/4.5を二段絞っています。
一番下は Luminar 16/2.5 を 4 のところまで絞っています。
ルミちゃんは死ぬほど暗いのですが、ツボにはまるとビシッとします。
下の二枚は偏光フィルターを使って、面の反射を少しコントロールしています。