初ヘリコン

ヘリコンフォーカスを入れてみました。
なじみのない方にちょっとご紹介しますと、ピントの一部分だけあっている画像を多数画像処理して、被写界深度を稼ぐソフトウェアです。
高倍率接写になると、ピントの合う深さの範囲は剃刀の刃よりも薄くなり、被写体全部に焦点を合わせることが困難になります。
絞りを絞ると、絞りによる回折現象(光の回り込みなんですが)によって、解像度が極端に低下します。
そこで、ピント位置をずらした写真を多数用意し、それをコンピュータで画像処理して重ね合わせる、そういう作業です。


とりあえずタンポポの種を撮って重ねてみました。
a seed of dandelion
黒バックは、非合焦部のボケを拾ってしまうのでダメみたいです。
輝度差で合成するアルゴリズムみたいですね。
レンズは開放でその解像度をたたき出す Macro Nikkor 19mm です。
以前の写真はこうでした。
dandelion4


石もちょっと試してみます。ウバロバイトです。
uvarovite
どうも、輝度差のありすぎる「のっぺりした」ものに弱いみたいです。
ということは、輝度差が少なく、細かい表面構造のものに向くということになります。
虫の表面の体毛などは、そのような点からまさにうってつけ。
それと、多深度合成に向くレンズが存在するようです。
ピントがずれると像がふわりと移動するような「ヘンなボケ」のレンズは、あまりうまく行きません。
顕微鏡の対物レンズはこのパターンが多いので、選ばないとダメなようです。
ドロリと境目無くキレイにボケる玉の方がよさそう。
マクロレンズならタムロンやトキナやコシナがいいけど、ニコンやシグマのような硬いボケの玉は良い成績を与えないということかも。


おまけ。十円玉の平等院鳳凰堂の屋根の上の鳳凰(20倍)。
houou


難しいです。
被写体がちょっとでも動くと、CCD の上のゴミが増殖するので、カメラもレンズも被写体もガチガチに固めて、とにかく端から撮りまくり、CPU パワーに任せてガシガシ合成するという不思議な操作になります。


ってなことして遊んでいたら、Dr. K が「Helicon Focus より Combine ZM のほうがいいぜ。しかもただ!」というアドバイスをしてくれた*1ので、次はコンバインいってみますか。
リンクは以前紹介したので、興味ある方はここから飛んでください。
http://d.hatena.ne.jp/doublet/20080108#p3


しばらくヘリコンの練習をしていました。
奥行きがありすぎるとテレセントリシティーの問題から拡大倍率が変わり、これが像の大きさを変えるためにボケがおかしくなるみたいです。
というわけで、ちょい長めのレンズを使って WD を取りつつ、いつもの被写界深度の3−5倍を目安にそのくらいの枚数を重ね合わせる方がいいようです。
やはり写真の基本は変わらず、像が小絞りボケしない程度に絞り、重ね合わせます。
回折によるボケの許容度はいつもより厳しく、絞って行ってボケ始めたぐらいのところかな。
やはり黒バックはダメで、被写体の色がバックがいいみたいです。
dandelion_stacked


D3 の jpg (4000px) を10枚もスタックしつつ、「ハウルの動く城」を見つつ、ウェブをチェックしながら音楽まで聴けてしまう。CPU パワーって素敵♪

*1:しかし彼はいつになったら私の正確な名前を覚えることができるのだろう?東洋人の名前というのは西洋人にとってそれほど覚えづらいものなんでしょうか。私は S. D. K. の名前は瞬時に覚えることができましたよ。