今日のアシナガ  −たぶんこれで本当に終わり−

昨日の夜は日が昇るまでレンズチェックをしていたので、お昼まで寝てしまいました。
お昼過ぎになって、腹減ったので牛丼を食べに行こうとバイクに乗ったら、横にアシナガがヒクついて落ちています。
あれ?くたばるにはまだ早いだろ?何で?と思い、彼の痙攣に嫌なものを察知し、階段のところの巣を見に行ったら、見事に取り去られていました。
after
↑黒い部分が巣のくっついていたところです。


役所経由でプロが取ったみたいですね。
あーあーあ。
駐車場には、多くの成虫が薬剤をかけられ、コロコロ転がっています。
wasp_alas!


朝早く、彼らが寝ぼけているうちに薬を撒き、巣を駆除したのでしょう。
セグロアシナガバチは巣に素手で触れるか、あるいは成虫を捕まえようとしない限り刺してきません。
しかし、アパートの隣人宅には子供がいます。
ハチが階段のところを飛び回っていたら、親は子供が刺されることを畏れ、駆除を頼んでしまうでしょう。
アシナガバチは子育てに、多くの鱗翅目の幼虫(つまりイモムシ)を捕食します。
人はめったに刺しません。スズメバチとは違い、威嚇もほとんどしません。
むしろ益虫と分類できるんですが、そういうのはなかなかわかってもらえないみたいです。


ウチのアパートに作られた二つの巣は、いずれも次世代にバトンタッチすることができず、すべてフイになってしまいました。
一方は暑さでへばっている所を天敵のウスムラサキシマメイガにやられ、幼虫をすべて喰われてしまいました。
もう一方は、大きな巣を作るところまでいったものの、人間に誤解されて駆除されてしまいました。
女王がどれほど頑張って巣を大事にしていたのかを、私はよく見てきました。
無念でなりません。
まあ、シマメイガの件に関しては自然の摂理なのでしょうがないんですけどね。
できれば、もう一方は集団が自然解散するまでそっとしておいて欲しかったです。


こうやって、彼らは失敗したり成功したりして、長い長い時間をかけて学習し、進化して生き延びてきたのでしょう。
人間は文化の発展に応じて、何が自分に対して危害を及ぼすか、どうやったら自然と共生していけるのかという判断能力を失い、完全に排他的になってしまいました。
おごれる平家は久しからず。ヒトという生物がいかに生態系を無視したやり方でやっているのかに自分自身が気付き、生態系をメチャクチャにしたことを反省回顧しても、もう時はすでに遅いのです。
現在、残念ながらそういう状況まできています。