単斜硫黄再来

再チャレンジ。転移する3分前。シュリーレン現象で根っこの方がユラユラと愛はかげろうっぽくなってます。
スピード勝負なので、なじんだ撮影装置とレンズじゃないと撮れません。使い勝手はまことに重要。


sulfur_monoclinic
Macro nikkor 12cm F6.3 (ap = 3)/Multiphot/D3
前回の写真に比べ板状結晶に対する角度が付いているので、多数貫通している結晶が確かに板状透明で、単斜だっていうのがお分かりいただけるかと。


3分後には真っ白に濁ります。
下のほうから伝染病のようにドンドン白く斜方晶系に転移してしまいます。
after_transition


ちなみに融液からの結晶では、ただの針状結晶の単斜晶系の硫黄が育つだけです。
monoclinic sulfur 1


なぜこのような形状の変化が発生するのかは、複雑な問題が絡んでいるのですが、溶液からの成長の場合は、結晶表面と溶媒との相互作用によって大きく育つ面(実際には発達の特に遅れた方位なんですが)が出てくるためです。
濃度やら温度やら雰囲気やらで、結晶の形状(晶癖といいます)がコロコロ変わるんですね。
それがあまりにもわずかな変化でドラスティックに変わるので、詐欺師が「「ありがとう」という言葉をかけると、きれいな結晶ができる」なんてアホなことを言い出す隙を与えてしまいました。
この日記はそんなポエムは書きませんよ。