メヒコ

メヒコって国は、今の日本の主要都市中心街に比べ、かなり衛生がよくありません。
きちんとしたレストランは一見大丈夫です*1
主食はトウモロコシの粉を練って伸ばしたトルティーヤですが、屋台でタコスを頼むために覗き込むと「ちょっと待って、そのまな板、何年前に洗った?」って感じの汚さで。
トルティーヤは、政府の定めた定価で売られているらしいんですが、流通しているトルティーヤにすでに雑菌がいて、「火をあまり通さずに食べるとアタるよー」って言われました。
私は地元衆のいう「世界で一番美味しいタコス屋さん」の屋台でガシガシ食べていたんですが、ちっともアタりませんでした。
ガキの頃から田んぼや河川で泳ぎ、沢の水をガブガブ飲める体質です。そんなものは屁でもない!
しかし、一緒に食べたシャチョーはアタりました。
数日後、シャチョーはドミトリーでひっくり返り、けいれんしながら吐き続け、手が震えてコップすら持てませんでした。
あれにはビビりました。
こえー、メヒコこえー。
京子さんは「メヒコの洗礼みたいなもんだから、気にしなくていいよ。ガハハ」と、取り合ってくれません。
私や、特に名を秘す友人某は何ともなかったので、シャチョーは疲れがたまっていたんだろうと思います。
私につきあって銀鉱山の坑道にカンテラ持って潜ったりしてたもんなぁ。悪かった悪かった。
んで、私が並んでいた屋台についでに並んだ人も何人かやられて、恨まれたのよね。自己責任だっていうのに。
道端に止まっている車のフロントガラスに銃痕がいくつも付いてたりとか、朝起きるとベッドの下の自分の靴にサソリが入ってたりとか、なかなかシゲキテキな国なのです。
しかし、さすがの私も、長距離バスと流しのタクシー、そして生ガキのカクテルだけはご遠慮しました。


「アミーゴ」と、数詞さえ言えればなんとかなるんですね。あの国は。
おおざっぱな国だから、細かいことを考えると損します。
鉱物を探しに行く場合は、スペイン語の鉱物名で。
quartz は cuarzo ですし、pyrite は pyrita (ピリータ)になります。
ラテン語の -ite が、-ita になるものとお考えください。arsenopyrite(硫砒鉄鉱)は arsenopyrita(アルセノピリータ)です。
独特のイントネーションと巻き舌っぽい発音ができればおk。
インドでもそうなんですが、ああいう国を訪れる人は「また来るぞー」って人と「もう二度とこんなところにくるもんか」って人に分かれます。
私は、正直帰りたくないぐらい楽しかったのでした。
トッキー先生は、食物にアタるのがいやで、ホテルの出すものとコーラしか飲まず、ずっと部屋にいたとおっしゃってましたが、私はやっぱりそれはつまらないと思うんですね。体当たれよ、と。


んで、そういうラテンの大雑把さと衛生観念、そして技術力の低さが今回は裏目に出たんだと思います。
アメリカはむっとしているんでしょうが。
メヒコに行ったらメヒコのやり方に従うべきです。しかしウィルスには国境はありません。
早急に収まってくれるのを願うばかりです。

*1:しかし、野菜を洗った水が悪かったりとか、飲用水に入れられた氷が悪かったりして、結局腹を壊すのですが。