分留
実験室レベルでの蒸留(分留)の件なんですけど、高沸点のものから、こんなようなパターンでやっています。
- 高真空昇華
- 分子蒸留(一滴蒸留)
- Kugelrohr
- 容器一体型ト字管
- 容器別ト字管
- オフセットト字管
- クライゼンヘッド(K字管)
- ビグリューカラム
- クライゼンヘッド付きビグリューカラム
- 充填物精留塔
- 回転バンド精留塔
純度を上げたいけど、回転バンドはだるいぜ、って時には充填物カラム蒸留をかけることが多いです。
この充填物なんですが、いろいろ検討した結果、金属の網を8mm角くらいに短冊に切り、これをサドル型に曲げて、真空ジャケット付き二重管に詰めたのが一番良好な成績を示しました。
ガラスへリックス、ガラスラシヒリング類は熱容量がでかすぎて難儀します。
ガラスビーズなんてもってのほかです。蒸気がみんなカラムで冷えて液化しちゃって、話になりません。
熱容量から考えたら銀の網がベストでしょうか。ハロゲン化物以外は。
私はステンレス網を使っていますが、文献ではニッケルメッシュがいいって人もいますね。これは耐食性の問題ですが。
ちなみに、一回カラムに網を詰めちゃったら網はそこから出てきません。網を濡らしたサンプルは酸や溶媒で洗い流すしかないです。
それと、ガラスヘリックスやラシヒリングは、ものすごく大量のサンプルを喰ってしまいます。
これ、10gぐらいのサンプルではバカになりません。
ちなみに、私は30cmの真空ジャケット付き二重管(矢沢)に、銀メッキさせて、中が見えるようにスリットを二カ所に入れ、これにメッシュを詰めてます。
下はフラスコ、上はト字管ですね。
かなり分留の難しい混合物でも、きれいになりますよ。
昔の、クライゼンヘッド+ダブルキャピラリーってのは、もう10年ぐらいやってないなあ。
蒸留ってのはローテクで簡単に廃れてしまう技術で、しかも一回器具を廃棄してしまうと、技術が元に戻ることが滅多にありません。
プロの蒸留屋は充填物(ラシヒが多い)でやってくれますが、500gぐらいは必要です。
メモとして記述しておきます。
いまだにこれをどうやって作るのかがまだわかりません。すごすぎるぜSさん。