バラバライトが採れたよ

朝起き、駅前のマクドナルドに寄って行動開始。
目的は、書籍にちょこっと記述されている金山跡探し。
集落を聞きまわって地主を探し、地主に話を聞く。
稼行した鉱床は小山を隔てて二つ。ひとつは金鉱山で、もうひとつは銅を目的に掘ったらしい。
昭和10−16年稼行実績あり。昭和10年の出鉱量が両方合わせて566tだそうだ。
銅鉱山のほうは、沈殿池のコンクリート堰堤の端を切り落として中身を抜き、その中に民家を建てている。おもろい。
こっちは、けっこうな規模で掘ったらしいね。ただしこっちは後回し。また今度。
金鉱床のほうの場所はだいたい聞いてわかったので、車で向かうと、地主があわてて軽自動車で追いかけてきた。
道案内してくれるらしい。なんて親切な人なんだろう。感謝。
この道案内が無ければ、もう30分は迷ったかもしれない。
さらにしばらく情報を聞き、礼を言って、山に潜る。


久しぶりの山は楽しい。
山野を縦横無尽に駆け巡り、沢の転石を拾いながら探すと、ようやく鉱兆が見える。
バライト(重晶石)だ。
黒鉱鉱床にはつきもののこの鉱物がいっぱい落ちている。
母岩はやや変質を受けた流紋岩。その隙間に、板のようなバライトが付いている転石が多数ある。
転石を追いかけていくと、簡単に坑口にたどり着いた。
やはり流紋岩で、脈状に入り込んだバライトが見える。
やや破砕された流紋岩をネットワーク状に浅熱水性の石英脈がルーズに充填し、その隙間にもバライト。けっこう多い。
文献には、約30m掘り下がって鉱体が尖滅したとあるのだが、掘り下がっているようにはあまり見えない。横に縦入している。別の鉱体があるのか?
坑道は水が出ていて、若干掘り上がっているのだが上のレベルの床が抜けて地表に達し、太陽光が坑内の一隅を照らしている。
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水は冷たく、素足では入れない。そして山を歩き回ったら靴のゴム底が外れてしまった。
これだから Made in China は!


周囲を見てまわると、自形のきれいなバライトが密集しているところがあるので、喜んで拾う。
単結晶の大きさは最大4cm。でかいが薄い。
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関東甲信越ではなかなか無いサイズだ。勝山とかモガリだったらあるけれども。
勝山では水晶のノリでほじくって、バライトの結晶を傷だらけにしてしまったので、その教訓を生かしてとにかく丁寧に出す。
フォトジェニックなものが出ていたところで終了。
母岩との接着が悪く、しかもへき開にそってヒビが多く、すぐバラバラになってしまって苦戦する。
バラバラになるからバライトっていうんじゃね?
他の鉱物がほとんど見えてこない。硫化鉱っぽいのがちょっとあるくらい。
あと、方鉛鉱みたいな結晶がバライトにいっぱい内包されている。


温泉(伊東温泉の湯川第3浴場)に入り、ラーメン屋(伊豆っ子ラーメン)で炒飯食べて帰ってきた。


やっぱり採集はいいなぁ。心が休まるよ。