東京石

最近、東京都の白丸鉱山で見出された新鉱物、東京石(tokyoite) です。
tokyoite という単語は、「東京生まれ、東京育ちの人」という意味があるらしいんですが、以下の写真は大和鉱山(鹿児島県)のもの。
東京生まれ、奄美大島育ちです。
グループとしては Brackebuschite Group に属し、バリウムマンガン塩基性バナジン酸塩になります。
マンガンサイトが鉄で占められたガマガラ石ってのもグループにあるらしいんですが(モリネロで記載されています)、見たことありません。ごめんなさい。


熱変成を受けたマンガン鉱床に、暗赤褐色の脈状で産出します。
白いのは重晶石 (BaSO4)。黒いのはブラウン鉱です。
以前、ここのパレンツォナ石の写真を撮りましたが、色合いはよく似ています。
http://d.hatena.ne.jp/doublet/20110303#p1


良質の標本を頂きました!ありがとうございます。
独特のガラス−樹脂状の、ヌメっとした光沢の赤黒い部分です。
tokyoite5
東京石(tokyoite), Ba2(Mn,Fe)(VO4)2(OH), mon., P21/m
鹿児島県大島郡大和村 大和鉱山
撮影幅 : 5.0 mm
LOMO Mikroplanar 40mm F4.5 (F = 5.6)/Nikon Multiphot/Nikon D3


以下は id:bismuth さんの標本たち。
tokyoite1


tokyoite2
東京石(tokyoite), Ba2(Mn,Fe)(VO4)2(OH), mon., P21/m
鹿児島県大島郡大和村 大和鉱山
撮影幅 : 18 mm
Nikon Macro Nikkor 65mm F4.5 (ap. = 4)/Nikon PB-6/Nikon D3


脈に対して直交した切断研磨品はこのようなものです。
バナジン酸塩が鉱石から離溶して、脈状に走っているのがよく見えます。
tokyoite3


同じく大和鉱山のナビア石 (nabiasite) ですが、微妙に色合いが異なり、もうちょっとオレンジ色っぽい赤褐色です。
ナビア石 (nabiasite)
ナビア石(nabiasite), BaMn9((V,As)O4)6(OH)2, cub., Pa-3

鹿児島県大島郡大和村 大和鉱山
撮影幅 : 16 mm
Nikon Macro Nikkor 65mm F4.5 (ap. = 4)/Nikon PB-6/Nikon D3