布賀石

ビスマスさんの秘蔵標本を撮影させてもらいました。
すごいんです。特級標本ばかり。
個人蔵というレベルで無いです。


いくつか、撮影させていただいた標本をお披露目させていただきますね。
最初の一つ。布賀石 (Fukalite)。
高温スカルンとして著名な岡山県布賀の名前を頂いた、新鉱物の一つです。
記載は1977年。
スカルン鉱物の裂罅に成長した、白色のカルシウムの含炭酸ケイ酸塩で、炭酸イオンおよび水酸基の存在から、母鉱物に比べかなり低温でできたものと思われます。
これ、ほとんどすべての標本は、実物の写真では白っぽい鉱物ではっきりしないものなのですが、この標本では恐ろしいことに、裂罅に絹糸状の集合体が成長しているのがわかります。
分析による同定のきちんとなされた本鉱物の標本では、超一級品でしょう。


Fukalite1

布賀石(Fukalite)(表面平面研磨)、 Ca4Si2O6(CO3)(OH,F)2, mon., lattice P, laue group 2/m.
岡山県高梁市布賀 布賀鉱山
写真幅 1.8 cm
Nikon Macro Nikkor 65mm F4.5 (sp. = 3)/Nikon PB-6/Nikon D3


何度もスカルン鉱物に裂罅が生じ、それを種々の鉱物が充填し、最末期に布賀石が生成しているのがよくわかります。
Fukalite2


このような超高品質の標本を撮影させてくださったビスマスさんに、この場を借りてお礼申し上げます。