加納輝石

kanolite
加納輝石(kanoite), (Mn, Mg)2Si2O6, mon., P21/c.
北海道爾志郡熊石町館平
国立科学博物館蔵.標本番号:NSM-M21331 (type specimen)
幅 : 4.5 cm


記載者である小林先生が科博に送られた、タイプ標本の切断標本の片割れ。
加納輝石は熱変成を受けた層状マンガン鉱床に産する、マンガンを含んだ輝石の一種で、北海道のはずれの海岸で見出されました。記載産地は北海道爾志郡熊石町館平。


上の標本で鮮やかなピンク色なのはパイロクスマンガン石。その左側に標本の断裂した割れ目があって、先のパイマンとの間に、ちょっと色の明るい部分が層状になってます。
ここの部分が色の薄いカミントン閃石を多く含み、この中にやや色の濃い加納輝石の粒がバラバラ入り込んでいます。大きさは 0.2 mm 以下。
加納輝石自身の写真がうまく撮影できなかったので、タイプ標本の雰囲気だけでも。


産地はこんなところです。私も行ったのですが、波が高くて、なかなか手が出ません。
20070812061445
今となっては採集は至難の業。海の中の岩礁に出ているらしいんですが、大潮の引き潮のときに海に潜って、転がっている石を探しても厳しいかも。
とりあえず、濡れるのが嫌いな人はダメかも。