ストロナルス長石

ホリミネラロジー堀秀道博士が見つけられた新鉱物の一つ、ストロナルス長石です。高知県高知市蓮台産。
タイプ標本。結局、この産地ではこのときの一塊しか見つかってないらしいのです。分析により確定されたものでは。
黒瀬川構造帯中のロジンジャイトに入ってくるレンズ状白色ブロックの質感が、ビミョーに曹長石と違うことに気づき、粉末回折実験でもバナルス長石からビミョーに反射パターンが変わっていることから成分分析をして、ストロンチウムの存在に気づいたのだとか。
まさに目からX線ビーム伝説の逸話でもあります。
オレならこれを野外で見てもわかりませんね。
精進しましょう。目からビームを出せるように。


この、堀さんが気付いたという「独特の質感」を表現すべく、いつもより絞りを開き気味に、立体を出して撮影しましたが、なかなか難しいですね。
Stronalsite1


Stronalsite2
ストロナルス長石(Stronalsite), SrNa2Al4Si4O16, orth., Iba2.
高知県高知市蓮台
国立科学博物館蔵.標本番号:NSM-M24394 (type specimen)
幅 : 1.8 cm

鉱物名は、ストロンチウム+ナトリウム+アルミニウム+ケイ素を主成分とすることに基づきますが、それ以前に知られていたバリウムを主成分とする長石(バナルス長石)のストロンチウムアナログですので、その命名を踏襲したものでしょう。


その後、国内でもこの鉱物は3ヶ所で発見され、意外とあるなー、ということになりました。
おそらくもっとあるのでしょうが、気づいたもの勝ちの鉱物であります。