黒鉛
昔は石墨と言いました。今は黒鉛かグラファイトです。ケベックのものです。
方解石に埋まっているので、高温高圧で堆積岩中の炭質分が変化したものでしょう。
結晶が歪みやすくわかりづらいんですが、六角板状の結晶。
ここに、連なったベンゼン環がずらーっと並んでいます。巨大分子というか高分子です。
これを、セロテープを貼り付けてはペリペリ剥がすのを続けていくと、最終的には1−数層の「グラフェン」というグラファイトができて、これがなかなか物性的に面白い、というのがこのあいだのノーベル賞でした。
層間にいろいろな金属や分子を挟み込むことができたりなど、奇妙な反応性を示します。
また、ダイアモンドがもっとも硬い鉱物であるのに対し、こちらの炭素は最も軟らかい部類です。
電気も熱もよく通します。
すべては、縮合したベンゼン環と、それに由来したπ電子に起因します。