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朝、早起きしてギターを弾く。
が、思った音が出ない。風が吹いているよう。
どうも、ダイナミクスの付け方、リズムの刻み方がいつもとわずかにずれるものらしい。
ふーむ。
とりあえず運指練習。
音の回しがものすごく複雑なヤツにしてやれ。
というわけで、久しぶりにエレキギターに弦を張る。
うわ。弦が軽い。びっくりだ。
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まあ、ぼちぼちとね。
てくてく散歩して、裏山の木々を見る。
このへんはドクダミが多いが、八重の花が時たま混じっている。
分布はかなり局在しているようだ。
八重のドクダミって、けっこうかわいい。でもドクダミ。
今日は、女子学生その1(学部学生)に卒業研究のテーマを出す。
さっそく、今日から実験。
まずは脱水溶媒の作り方から。
反応試剤や基質に対して、溶媒の量はかなり多いので、不安定なものを作るにはまず溶媒作りから。
装置内部をアルゴンで置換して酸素や湿気を追い出す手法、溶媒に適した脱水剤の選択の仕方などから教える。
真空ポンプの使い方、三方コック、装置の組み方など、初歩の初歩から。
それがきちんとできるようになって、学生が「全部理解しました」と言えるようになるまで、何度も何度も学生の疑問に答える。
溶媒の水がきちんと抜けたら、反応を一つ仕込む。
簡単な反応ではあるが、新規化合物だし、オレも初めてなので、よく似た基質をオレがまず手本に反応させてみる。
これを真似させながら、学生にはよく似た反応をほとんど同じ量でしてもらう。
オレがやってみせるとみんなオレがしちゃって学生の身に付かないので、こういう方法が有効。
ただし時間はものすごくかかる。まあ最初だからね。
実験が全部終わると夜の8時。
学生さんが帰ると、別の学生(オレに性格が似ている)がオレのところに来た。
「どーしたんですか?どうやって実験教えたんですか?」と問いただして来た。
???
聞いてみるとこういうことらしい。
彼女は、オレに対して「すごいスパルタ」という印象を持っていたようだ。
強い物言いに慣れてない彼女は、そういうわけでオレが大の苦手だったようだ。
そう同じ講座の同級生には公言していたんだそうだ。
ところが、実験を実際に一緒にしてみると、ものすごく好印象だったらしく、オレがいない間に同級生たちにオレのことをべた褒めしていたとのこと。
その180度変換の評価に、みんながびっくりしたらしい。
「あれは、絶対○○さん(つまりオレのこと)に惚れましたよ。」とまで言われてしまった。
その発言を鵜呑みにするわけではないのだが、指導を褒められると悪い気はしない。
その話を横で聞いて苦々しく思っている学生が若干一名。
彼は彼女を気に入っているらしい。
隠してもわかる。そういうのに鈍いオレでもはっきり。
いつもより態度がよそよそしい。
というか、お前ら考えすぎ。
そんなことあるわけないだろ。
そんな誤解でオレに敵愾心を燃やさんでくれ。
燃やすなら、オレの実験技術を超えてみろ。
なんかいかにも学園ものの話に、ひどく疲れた一日だった。
しかし、「指導がわかりやすい」と評価されたのは嬉しい。
それは、男からも女からも関係ない。
有機合成は経験が必要で、しかもきちんとしなければならないところはガミガミ言わないと事故が起こる。
ので、どんな学生に対しても甘やかすつもりはない。
その姿勢が、(そういうのに一番苦手な)学生に受け入れられたのは、やっぱり嬉しい。