豊栄鉱山の蛍石

以前話が出てきた某民宿の蛍石って、多分これのことです。
緑色透明(表面がざらついている)の蛍石の単結晶です。
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でかい、でかいわ!


豊栄鉱山(大分県)では1970年代に芋型の蛍石の鉱体に当たり、大きな単結晶がザクザク出てきました。
数十メートル大の蛍石の塊だと思ってください。
豊栄は金属鉱山ですが、そのときは緑色の蛍石を出鉱したそうです。
えらく深部で、豊栄は水の多い鉱山ですから、今行っても採集は絶望的。
以前は事務所近辺に握りこぶし大の蛍石が落ちてましたが、今はありません。
文献はたしか、国内鉄調にあったはずです。「蛍石蛍石鉱床*1」の時代ではありません。


ちょうど高校に入学寸前の私は、豊栄の鉱山跡から県道に出て、わさおみたいな犬と尾平まで行くバスを何時間もおさつスナックを食べながら待っていました。
で、犬があまりねだるのでおさつスナックを全部あげてしまい、それを購入したヨロヅ屋の奥さんがすまなそうにおさつスナックの追加を持ってきてくれました。ヨロヅ屋の犬だったのです。
私は80リットルある巨大なザックにシュラフ、テント、食料、コッフェル、地図、カメラ(たしかフジカ)、ハンマー、文献、小説など諸々の生活道具を詰め込んで、九州山地の山奥を放浪していました。
そんな学生さんでした。

*1:国内の蛍石鉱床について詳細に記述された有名な書籍。門田重行(もんでん しげゆき)著。昭和18年。