銀樹

銀樹です。


その名のとおり、銀の樹で、イオン化傾向のデモ実験でしばしば作られるものです。
銀イオンを含んだ溶液に、イオン化傾向のより高い金属を放り込んで放置しますと、銀イオンは金属銀まで還元され、逆によりイオン化傾向の高い金属はイオン化します。
このときに、銀の樹枝状結晶ができるので、これを「銀樹」と呼びます。


イオン濃度が高くて、液の対流が遅いと、比較的結晶粒がころっとしたのが落ちるのですが
silver_tree


銀イオン濃度が下がってくると、綺麗な銀の樹ができます。
silver_tree_1_2


新鮮な銀の表面は、空気中の硫黄分によってくすみやすく、この光沢が楽しめるのはせいぜい数日。
silver_tree_2


市販の銀細工は確かに綺麗なのですが、成長したばかりの銀の結晶はもっともっと美しく、神秘的な形状を示します。
ただし、これ、ものすごく繊細で、ちょっと動かしただけでもグニャグニャ変形してしまいます。
サンプリングが難しく、今回はうまくいきませんでした。


クリスマスっぽいでしょ?


(crystallographic data) cubic, Fm3m
(macrophotography)1st; Nikon Ultra Micro Nikkor 28mm F1.8 (F = 4)/Multiphot/D3
2nd, 3rd; Zeiss Luminar 40mm F4 (ap. = 8)/Multiphot/D3