トミノン
ちょっと悪口を書きすぎましたので、訂正。
トミノンというレンズは富岡光学という会社のレンズ名で、この場合、ポラロイド社の複写システム用に設計製作された組レンズです。
焦点距離が短いほうから、17, 35, 50, 75, 105, 135 mmがあり、四枚玉もしくは六枚玉の設計です。
レンズに直接光源の光が当たると散乱光が出ますが、気を付ければ問題にならないでしょう。比較的キリッとした像を結び、ボケは中程度の二線。収差状況は悪くないです。
ただ、作りがちゃちくて、旋盤から切り落としたそのまま感があります。値段は安くて、組で一万ぐらい。
ただ、憎めないんですよね。すべての(等倍を越える)接写の基本が入っている感じで。
例えば、自分の娘に
「おとうさん。あたし、ビオレの角栓取りで取れた鼻の脂をどうしてもカリッカリのピンで撮りたいのよ。どのレンズがいい?」
って言われたとするじゃないですか。そういう時に
「まあ、まずはこいつのポテンシャルを完全に引き出してみろよ。話はそれからだ。」
って感じで渡せるレンズがトミノンなのではないかと。
五倍を越える接写を始めようという人にまずおすすめしたいレンズです。安いしね。
で、どのくらい写るかって示しますと、こんな感じです。
作例はこの間の滝のヤツ。結晶サイズは幅1mmくらいです。
Tominon 17mm F5.6 では、こんな感じです。像の悪さは回折ボケです。
[
これを Leitz Photar 12.5 mm で倍率をほぼ同じにして撮影すると、こうなります。
レンズ設計は、硝材の種類まではわかりませんでしたが、いずれもリバーステッサーです。
倍率も違えば*1ライティングも違うので比較になりませんが、まあ参考程度に。
ただし、フォタールはびっくりするほど高いんですよね。親指の爪ぐらいの小さなレンズなのに、28諭吉(新品)ってどういうことですか。
どこまで望んだ像を追い求めるかにもよりますが、コストパフォーマンスならトミノンでしょう。