緑柱石

今日はねぼすけさんがアクアマリンの話をしていた。
アクアマリンはそんなに高い宝石じゃないよ。
青い緑柱石のことをアクアマリンっていうのよ。


緑柱石はベリリウムとアルミニウムのケイ酸塩で、国内では花崗岩の成分の固まりそこねの吹き溜まりである「ペグマタイト」にしばしば見られる。
微量成分により着色し、クロムが入って緑色のものをエメラルド、二価の鉄が入って青いのをアクアマリン、三価の鉄で黄色いのをヘリオドール。無色のものはゴッシェナイトという通り名がある。
みんなベリル。
ベリリウムおよびその化合物は、その有害性のために取引がうるさいのに、ベリルだけは大丈夫なんだよね。なぜ?


苗木産。スプレー状。
かなり濃い青。カットできるサイズになったら、真っ青の石になるだろう。
beryl1
緑柱石(beryl) Be3Al2Si6O18, hex., P6mmc
岐阜県中津川市苗木
東京大学総合研究博物館蔵(登録番号 20497)
標本長: 4.5 cm
Nikon Micro Nikkor 60mmF2.8G ED/Nikon D3



これも苗木。どこだろう?後山?
青いのから無色に近いものまで。
beryl2
緑柱石(beryl) Be3Al2Si6O18, hex., P6mmc
岐阜県中津川市苗木
東京大学総合研究博物館
結晶長: 3.3 cm(最大)
Nikon Micro Nikkor 60mmF2.8G ED/Nikon D3


こっちは鹿児島の。初めて聞いた産地。完全に無色。
bintagire

緑柱石(beryl) Be3Al2Si6O18, hex., P6mmc
鹿児島県垂水市/鹿屋市高隈山
東京大学総合研究博物館蔵(登録番号 22641)
標本長: 2.1 cm
Nikon Micro Nikkor 60mmF2.8G ED/Nikon D3


ペグマタイトの晶洞(ガマ)で時おり、このような無色透明の緑柱石が出ることがある。
緑柱石は六方晶で、底面cが出現するため、水晶のようだが末端は底面で切られたように見え、これを古くは「びんた切れの水晶」と表現したようだ。
「びんた」とは頭のこと。頭を落とされた水晶、ということ。
屋久島では鉱物採集にかける時間がなく、緑柱石はおろか水晶すら見つける時間がなかったのだけれど、いつか屋久島の大ガマに遭遇してみたいものだ。
崎浜でも報告されている。