久しぶりに鉱物採集

なんか最近忙しくて、ちっとも採集に行けなかったんですが、久しぶりに学会の出先から近場を周ってみました。
とりあえず、日の出と共に行動開始して、国道沿いの鉱山跡へ。もうホントに国道の脇らしいんです。
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本坑の場所がよくわかりません。とりあえずすごいビリ脈を押したっぽいのはわかります。
石英脈が見えて、隙間に米水晶がついているなー、ぐらい。
地質は堆積岩が接触変成を受けて、一緒に石英脈が入り込んでるようです。
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川向こうにも穴っぽいのはあるんですが、渡渉できず。
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どうもこれが掘り跡らしいんです。水晶、かくにん!よかった♡
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敗退して次に行きます。
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でも、これも場所がわかりません。うーん。
まったく鉱石鉱物が見つかりません。


あの稜線の向こうに、スカルン性の磁鉄鉱があるというのです。
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うーん。あそこまで行くのはつらい・・・。


近場だし、ついでに有名な蛍石鉱山に向かいます。
今はキノコのシーズンなので、単独で山に入るとキノコ泥棒と間違えられます。
地元のキノコ採りの皆さんと打ち合わせて、途中まで山に入りました。
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旧坑口。もうだいぶ崩れましたね。
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もう10年もすれば、穴が埋まるでしょうか。取り開ければいいんですが。
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この鉱山の歴史を地元のじいちゃんからいろいろ聞いてきました。
門田氏の「螢石及び螢石鉱床」にあるぐらい古い鉱山ですが、メインに掘ったのは昭和15−19年ぐらい(日本弗化鉱業)で、航空機用アルミ精錬に使う蛍石だったんだそうです。
じいちゃんは、この蛍石を焼いてアルミ粉にしたんだ、って言ってましたが、蛍石にはアルミニウムは含まれておらず、たぶんそれはじいちゃんの勘違いでしょう。ホール・エルー法の融解助剤原料ですね。
戦中の日本の航空機や戦闘機、例えばゼロ戦なんかにも、ここの蛍石は使われていたのかもしれませんね。
沢の出合に選鉱場があったらしいです。この施設の名残りは今でもあるとのこと。
昔は多くの人が働き、わざわざ近隣から嫁取りもしたそうです。


残鉱があるにはあるんですが、そんな大したものはありません。
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実は、この灰色っぽい母岩っぽいのも蛍石です。
硫化鉱かなにか入っているのでしょうか。
いくつか自形結晶を拾ってきました。欠片も拾ってきたので、加熱発光の実験に使えるでしょうか。
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下の集落で、かつて鉱山で産出したという蛍石を見せてもらいました。
すごいですよ。ピンクの蛍石の結晶があります。
八面体の結晶集合体に水晶がかぶっている物があります。結晶サイズは一辺 4cm ぐらいもあります。
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これはでかい。どこで出たんでしょうね。
紫の褪色したピンクかなーと思って眺めてたんですが、やっぱりこれはピンク蛍石っぽいのです。


もう、秋もそろそろ終わり。紅葉シーズンは折り返しました。
ここは、冬になると2mを超える雪の下です。
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国道を延々とドライブして、のんびり帰ってきました。お疲れさまでした。


今回の写真、新しい iPhone6+ で写真撮ったのですが、ちょっと逆光に弱いですね。
レンズの保護ガラス(単結晶サファイアらしいです!)が汚れていたのかな?