延々と深夜ドライブで、目的地近くまで足をのばしました。
広い駐車場のコンビニで熟睡。
朝5時から行動開始。
目的は、ある山の山腹で、堆積岩に入り込んだ熱水の落としたもの。
最近の大水で荒れた、藪だらけの林道を車で走らせながら、脇の露出をチェックし、沢の出合で転がってきた石をチェックするという手抜き散策。
それでも、ここはすごく露出が良いので、珪化や鉱化作用は見落とさずにすみそうです。
ただし、脇見運転で危うく車を谷に落とすところでした。
露頭を見ながら運転してはいけません。


ただし、道がすごく悪いのが難点で、車の腹を打ちそう。


この道を走れば、確実に車の寿命が100日は縮むでしょう。


恐怖新聞」ならぬ、「恐怖林道」。


砂礫岩の互層で、露出が良くて転石の多いところを狙って車を停めます。
ちらほらと水晶が落ちてます。
岩の隙間に熱水が落としたものでしょう。
良さそうなところを見つけたので、朝食を取りながら脈を見ます。
いい感じなのですが、足場が悪すぎです。
ホールドを記憶して登らないと、下りてこられません。
ガマがすでに開いてます。しかし崖の真ん中で荷物を置くところがありません。
小さな袋に揚げ物用の菜箸とバールを入れ、これを打ち込んだ波ハーケンに引っ掛けて、水晶を採ります。
ガマは完全に風化して、砂で埋まっています。
これをほじると、透明な水晶が疎に埋まっています。
水晶は無色透明でつやつやしています。たまに水の入っているものがあります。
足場が悪いので、バールを露頭の岩の割れ目に突っ込み、これを足場にします。怖いな。
すると、ぐらっという音と共に、すぐ上の40cmほどの岩が落ち、手の甲にぶつかりました。
自分は落ちずにすんだし、手ははじかれただけで擦り傷程度だったのですが、痛いです。
「これ、頭に当たったらただじゃすまないな」と思い、あわててヘルメットを気休めでかぶります。
4−5cmくらいの水晶を5本も出したところで、さっさか引き上げにします。
ガマの延長を確認したいのはやまやまなのですが、それをするには石を剥がさねばならず、剥がせば確実に上の石が崩れるのがみえみえですから。
水晶ごときで命を落とすのは割が合いません。
他の鉱物もできているのですが、食指が動かず、拾ってきませんでした。


次の場所に向かいます。
こちらは凝灰岩に入り込んだ石英脈で、ちょっと採掘した記録があります。
地元の人に声をかけたら「ああ、ちょっと上がったところだよ。留め山なので木やキノコをとらないようにな」とのこと。
石は OK のようです。
キノコは「採らないように」なのか「撮らないように」なのか判断に苦しみます。
採集の人はほとんど来てないということです。
沢を上がると石英脈を押した坑道があります。

↑坑口の上の盤の、ほぼ垂直な二つの石英脈が確認できますか?


最初の坑道は深さ10mの試掘坑。脈は幅40cmで、膨縮があります。
黄鉄鉱と閃亜鉛鉱、少量の黄銅鉱が見えます。クズですが。
脈の中央はガマになっていて、水晶がいっぱいみられます。
荒川の石英脈にそっくりです。水晶は短いタイプです。

こういう水晶は採集してもあまり面白くありません。
もうちょっと沢の上に上がると、大きな坑道があります。
こちらは奥から冷たい風が吹いてくるので、深そうです。

ちょこっとだけ入ってみます。
すると、坑道の中のカマドウマがライトの光にびっくりして、天井からポタポタ落ちてきます。
コウモリがハタハタ飛んでいます。すごい数。
ちょっと進むと縦坑があります。
横は通れますが、まだまだ奥行きがあります。
留め山にお願いして入れてもらったので、事故を起こして地元に迷惑をかけるのは不本意なので、すぐ出てきました。
坑口付近の脈を見てみると、水晶はすべて白い山が入っています。
いくつかお土産にもらって帰ります。


次の場所は、火山岩の空隙のメノウと沸石なのですが、探してもわかりませんでした。
期待したんですがね。


最後に、ある湖に向かいました。
ここは、水晶があるんだそうです。
半信半疑でしたが、花崗閃緑岩なので、出てもおかしくありません。
しばらく探し回りましたが、石英脈がありません。
ペグマタイトの気配もありません。
こういうときは地元頼みです。
聞いてみると、「水晶があることをなぜ知っている?」といぶかしがられましたが、場所を教えてもらい、実物も見せてもらいました。
「昔はもっと大きいのがあったんだけどな」ということでした。
しかし、場所は現在水の中だそうです。


春になると水位が下がり、脈が見えるという季節限定産地のようです。



↑この状態では露出も悪く、まわりこめそうにもありません。


再チャレは必至だな(カタクラ風表現)。


温泉に入り、蕎麦食べて寝るのがいいんですよ。これが。