相変わらずカメラレンズをいじっては、ばらしクリーニングと似非芯出しを練習している doublet です。こんばんわ。
研磨剤でレンズのカビをシングルコートごと剥いで、フレアを呼んでがっくり来る日々です。
最近ひしひしと感じるのですが、「レンズで魂を抜かれる」ってのはこういうことなんじゃないかと思えてきます。
もう自分が何本のレンズを持っているのか把握できていません。
同じ玉を三本も確保してたりとか。
気に入っているものをやはり集中して使う癖があります。
じっくりと、お気に入り玉の最適な絞りを探すのは楽しいです。


私のことを以前から知っている人は「何で最近カメラに凝りだしたんだろう?」って思ってるでしょ?
私もよくわからないのです。
中学〜高校時代に白黒写真にかなりハマって、現像液の組成調合とかまでしてましたが、その後すっかり遠ざかっていました。
思い出したのは半年ぐらい前です。
学生のころ使っていた Canon FD レンズはことごとくカビてしまいました。もったいない。


レンズで起こる光の屈折や鏡による反射は、古典的な幾何光学でそのかなりの部分を説明することができます。
すべて物理現象で、スネルの式が基本公式です。
回折の基礎原理は1940年ぐらいにはだいたい完成してます。
銀塩フィルムによる現像は化学反応以外の何者でもありません。
光線追跡にコンピュータが容易に使えるようになり、戦前にはなかった特殊な硝材、球面から大きく離れた特殊な非球面によるレンズなどによって、飛躍的にカメラレンズの性能は向上しました。
デジタルカメラに用いられる CCD, MOS、医療用フィルムのイメージングプレートは物理現象を利用した現像であり、この10年で大きく様変わりしました。
で、古典物理および化学で銀塩写真はおよそ説明が付き、最近のエレクトロニクスでデジカメは原理説明ができるのですが、写真はどちらかというと技術より芸術の色合いが濃いんですよね。
私はこれが苦手なんですよね。
なんとかこれを克服したいという動機はあります。


いや、そうじゃない。
わかりやすく、自分が生きた証を残しておきたいのかもしれません。
セミじゃないですが、そろそろ死期が近づいているんでしょう。
死ぬまでに、いい写真が撮れて写真集ができるといいですね。