館平鉱山海岸露頭−桂岡鉱山−勝山+茂賀利鉱山−八雲

朝から雨。寒い寒い。
傘を差しながら、目的とする海岸に向かいます。
ここは、加納輝石の出た岩礁で、もう無いらしいんですが、まあダメもとで見てみましょう。

そしたら・・・・
バッシャーン
と波をかぶり、頭からビショビショになってしまいました。
こんなこともあろうかと、カメラをザックに入れておいてよかったです。
これは大潮の干潮を狙わないとダメですね。
パンツまで濡れてしまったので、やる気を無くし車に戻ってしまいました。
根性なしと呼んでくだされ。


次は、道内ではあまり無い産地、桂岡鉱山です。
上ノ国まで行き、線路を渡ります。

この奥をしばらく行くんですが、2.5万地質図幅にある橋はすでに無く、車で川を渡る状態になっていました。
ひどい藪とクマのにおいで、ちょっとこれは危ないかな、と考え、別の坑道に向かいます。
ですが、どうズリを探しても、黄鉄鉱とほんの少量の黄銅鉱、輝銅鉱ぐらい、スカルン鉱物は灰鉄輝石がちょこっと。
採集するようなものではありません。
山向こうに、鉄興社が掘ったスカルンがあり、そこではベスブ石が出るという話でしたが、藪がひどくて、藪を漕いで腕がかぶれた(後に水脹れになった)ので、やめておきます。
ここはじっくり調べてみたいんですけどね。


ここではヒラタシデムシを見つけました。
本州のオオヒラタシデムシとは種が違うらしいのです。
でも食生活はおんなじです。


今日のメインは重晶石が有名な、勝山+茂賀利鉱山跡です。
勝山鉱山の重晶石の結晶は古くから有名で、露天掘り跡で故益富氏が結晶をくるむ新聞紙が足らず、落ち葉を使って結晶を包んだという話でした。
ただし、それは過去の話。露天掘り跡はほとんど埋めてしまったそうです。


まあ、すでに評価の定まった過去の産地を訪れるよりは、新しいところを探した方が当たったときのヨロコビは大きいわけで。
というわけで、露天掘り跡はまったく無視して、茂賀利と勝山の資料を見ながら、クマの住む山にどんどん入っていきます。
勝山の通洞坑は完全に埋まっていて、自然に帰っていました。
茂賀利をよく調べて、探鉱の跡をいろいろ探し回っていたら、山の中で露頭を見つけました。
この地域の鉱化作用はわりと広く、いたるところに鉱脈があります。
母岩は古いチャートです。
半分破砕されたようなチャートの隙間に、重晶石の結晶がいっぱいくっついています。

↑ガマを開けたところなんですが、わかりますか?


大きいのでも4cmの結晶。掌サイズとか弁当箱サイズと言われた往年の標本にはかないませんが、まあいいでしょう。


産状のわかりやすいようなものですと、こんなのです。

ひび割れたチャートを喰って、結晶が成長しています。
面白いのは、ここには変な形の平行連晶が多いんですよね。


ガマを開けて、いつもの水晶のようにホジホジほじっていて気付いたのですが、ステンレスの菜箸は硬過ぎ、結晶面を大きく傷つけてしまいます。
相当丁寧にやらないとダメみたいです。
運搬も同じで、石がぶつかり合っていると必ず大きな傷ができてしまいます。
益富氏が梱包に気を使ったのはそういうことなんでしょう。
厳選した標本を丁寧に新聞紙で包み、山から下りてきました。


夕飯を食べに八雲まで行ってみると、花火大会でした。