贅沢は素敵だ

eBay のPN95/2.8A, PN105/2.8Aはかなり値上がってます。
たぶんいずれも $1500 は行くでしょう。
現行価格では $5000 ですから、上限でも $2000 ってところでしょうか。
私はキャップ無し箱無しアタッチメント無し検査票無しで USD 換算で $500 ぐらいで買ってますから、まあこんなものかな、と。
道具にゃ箱も検査票も要らぬ。しかしアタッチメントはあったほうがいい!


6群14枚という、空気ギャップを減らしてレンズ表面の反射によるコントラスト低下を抑えた設計*1
フルアポクロマート、歪曲収差皆無。
まったく欲張っていないイメージサークル(もっと欲張れ)。
近接距離の平面物複写しか設計スペックには盛り込まれていません。
そのかわり、設計倍率で撮影すれば最高にカリカリな像をお届けします。
これが産業用レンズの世界です。しびれますぜ。


カリカリ感をテストするために、福沢さんの胸の谷間でチェックします。
倍率2倍でピクセルで切り出しています。



PN95/2.8A(f = 5.6)



EL Nikkor 105mm F5.6(開放)


両方とも、福沢さんの胸の谷間のディンプル(ニキビ跡?)にピントを合わせてます。
解像度に定評のある EL ですらこんな状況です。


難を言えば、PN はもうちょっと絞り込みたい(解像力を落としてもいいので、被写界深度が欲しい)のと、2倍側だとやはり二線にボケる傾向があります。絞りは12枚羽根です。


Leitz Wetzlar Summicron 35/2 (reversed) と Macro Nikkor 35/4.5 と Zuiko Macro 38/3.5 を比較してびっくりしました。
周辺の解像度は実は三本のいずれもあまり変わらないのです。
順位をつけると瑞光>墨黒ん>三男となりますが、ほとんどどんぐりの背比べ。
光軸付近は三男が微妙に競り勝っているようです。
コントラストと色の出は瑞光>三男>墨黒んでした。
ボケのなだらかさは墨黒ん>(越えられない壁)>瑞光=三男なんですよね。
Leitz 社のレンズの優秀さを実感しました。
ただ、ボケというのは評価が大変難しくて、拡大率によっても前ボケ・後ボケによっても、絞り数によっても変わってきます。
フォーカスからずれた光がどのような強度分布を示すのかなのですが、こればっかりは予想がつきません。回折の影響もありますから。
ザイデル収差の状況だけではわかりません。

*1:これはたぶん反射防止膜の技術があまり優れていなかった頃の設計がそのまま残っているのでしょう