私がランドクルーザー70に乗り続ける理由

実は、トヨタという会社はあまり好きではないのです。
関係者各位には大変申し訳なく思っているのですけれども。
下請けの事も考えてやれ。
で、私の車はおんぼろのトヨタランドクルーザー77なんですが、どうもこれが手放せなくて。
板バネで、乗り心地は最悪、重心は高いし、狙ったラインにうまく乗せられない車です。
いろいろ問題があります。国内向け生産もやめちゃったし。
これが一番大好きな車です。道具とかゲタとか言ってますけど、思い入れがあります。
国内でもっとも頑丈な車、トヨタの唯一の良心とか言われているらしいですぜ。


初めて購入した車は、スズキエスクードでした。
この車、たいへん乗りやすい車で、高い走破性があり、ヨーロピアンなデザインからは想像も付かないほど悪路に強いです。
きっちりフレームに積んでるんですね。
まさに羊の皮をかぶった狼。
車重も未舗装道にはちょうどよく、しかも長時間の高速走行も苦にならない、いい車でした。
ジムニーより使いやすいです。さすがに走破性はジムニーには劣りますけど。
エスクードの開発グループは、ホントに腕がいいな、と今でも思いますね。H20A の華奢さを除いては。


で、免許取りたてでやっと車(エスクード)を買うことができ、初めてのドライブでいきなり真冬の雪の林道に行ってみたんです。ノーマルのタイヤで。
しかもチェーンも持たずに。おっそろしい話なんですが。
見事に積雪20cmでスタックしました。ウンともスンとも言わないの。
今だったら、とりあえずトラロープをタイヤに巻いて脱出するなり、土砂をタイヤ下に放り込むなり、あるいは服を脱いでタイヤの下に咬ませるなりして出すんでしょうが、そのころはそんな知恵もなく。
まだ私も若かったのです。
携帯電話があるわけでもなく、ふもとまで歩いたら夏でも楽に3時間はかかっちゃうところで。
いろいろ試してみたんですが、結局雪でスタックしたノーマルタイヤエスクードは出せずに、日が暮れてしまいました。
まあ、次の日に一日かけて山を降りてチェーンでも買いに行けばいいよな、と、しょうがないので車内で一泊。


朝起きてちょっとしたら、デリカが雪道走行にやってきました。
神様かよ!と思いましたね。
が、彼は牽引ロープを積んでいなかったので引っ張り出すことはできませんでした*1
脱出の希望は閉ざされてしまいました。


次にやってきたのは、猟犬を積んだ猟師のランドクルーザー(黒の80)。
もちろん牽引ロープも積んであり、ガツンと難なく出してしまいました。
あっさりしすぎてびっくりするぐらい。
猟師には説教されましたが、気分よく引っ張り出してもらい、難を逃れました。
これほど人の親切が身に沁みる機会もそうはないでしょう。
ゆっくりと止まらないように林道を下り、何とか家まで戻りました。
やっぱり雪道はチェーンないとダメだよな。
やっぱりランクルはかっこいいよな。


それからしばらくして、私の車はあの憧れのランクルになったのです。
もちろん牽引ロープも二本積み、スタッドレスもチェーンも完備で。


以前猟師にしてもらったように、何度もスタック車を引っ張り出しました*2
引っ張り出すなら、車重があって粘っこいエンジンの車に限りますよね。
てか、四駆のメリットなんてそれしかないぞ*3


そんなこんなで、免許とって運転し始めの頃に受けた恩をちょびっとずつ還元しています。
それができる車なのです。こいつわ。
PZJ77V
私は思うんですね。受けた恩を人に倍に返してやれば、この世の中はずっとずっと住みよくなるよな、と。

*1:今なら迷わずシートベルト切るよな

*2:たとえばhttp://d.hatena.ne.jp/doublet/20051231#p1 とか

*3:たまに「四駆だから雪道はノーマルタイヤで大丈夫」って言う人がいますが(数日前にもそんな話あり)、重い四駆が滑り出したら止まりません。認識間違ってます。四駆の強みは路面状況の悪さにもかかわらず発車できる、これに尽きます。